Home > (Photo)ローナーL飛行艇 (Lohner L-127)<博物館実機写真<2019年4月号

 特集 早期警戒機と偵察機

(Photo)ローナーL飛行艇 (Lohner L-127)

by  コルディッツ
博物館実機写真

 第一次世界大戦でのオーストリア=ハンガリー帝国の軍事面での成果は、大戦勃発の口火を切ったのにも関わらず、パッとしません。しかし幾つかの軍用機は高性能の機体として歴史に名を残しています。
 その一つがLohner L(ローナーL)です。オーストリア=ハンガリー帝国のローナー社が開発した複葉の単発偵察飛行艇で、爆撃機や戦闘機としても用いられました。木製艇体は平たく、操縦席は並列複座で、尾部は鋼管に合板を被せています。オーストロ・ダイムラー AD6水冷直列型6気筒160hpエンジン1基を上下翼間にを推進式に装備して、固定式の2翅のプロペラを廻しました。1916年までに93機製造され、オーストリア=ハンガリー帝国海軍に配属されて、アドリア海を舞台にイタリア軍を相手に爆撃や偵察で活躍しました。同機は最大速度105km/h、航続時間4時間、爆弾200kg搭載可能です。(以上は博物館の説明文参照)
 1915年5月27日にローナーLはベネチア空爆敢行するも、うち1機(シリアルNoはL-40)が対空砲火をエンジンに被弾し、ほぼ無傷でイタリア軍に鹵獲されました。イタリアはこれをマッキL.1飛行艇としてコピー生産し、その後改良を加えてマッキM.3飛行艇に発展させます。(以上はWikipedia参照)
 また1918年6月3日早朝には、イタリア海兵隊員がローナーLを盗み出すのに成功しました。その機体(シリアルNo L-127)はイタリア空軍史博物館にオーストリア=ハンガリー帝国のコスチュームのまま展示されています。
(以上は博物館の説明文参照)
 きっと博物館は、冒険者たちの鹵獲が自慢で、L-127を展示しているのだ、と空想しちゃいました。


 Lohner L-127
 イタリア空軍史博物館(Vigna di Valle)にて  2017年12月撮影
 機首の曲線十字マークは良いデザインかと。
 











 当時の補助フロートの底面は板状だったんですね。  





 尾翼は鋼管フレームにより主翼より高い位置に。 














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