さて、「傑作誕生」だが、これは長谷川製作所のT-33 1/72キットの話。『プラモ・ガイド 1970』の「すいせんキット(国産)」ページに紹介されているから、1969年発売だったのだろう。同誌の広告には、フジミの1/50
F-4EファントムⅡ、タミヤ1/100 B-52、日東1/100 コンコルド、面白いところでは再生マルサンの1/32 零戦52型丙もある。これはネジ1本で組み立て分解できるアクションを組み込んだレベル1/32
零戦にソックリな外観のキットで、後にエルエスが引き取って販売した。
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そんな時代に、ハセガワのT-33は100円でこの世に生まれた。キット紹介のグラビアページでは「本年度版プラモ・ガイドの中ですいせんできる、最も安価なキット」と絶賛。本文では、「構成部品の数もあまり多くなく、しかも各部のハメあいをキッチリさせて、初心者にも簡単に組み立てられるよう、細かく神経を配っている」「世界中のどこへだしてもはずかしくないだけの実力をもったキット」と大々絶賛だ。当時、傑作の要件に「簡単」「初心者」があったことも明瞭で、もちろん100円は安かった。 |