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特集 イギリス大戦機

 スピットファイアMkⅧ 東南アジア展開機 第155飛行隊所属(疑似) (ハセガワ1/48)

 by 寿



 スピット、スピットファイアですよ。やっぱイギリスの大戦機と言えばコレですよね。まぁ「やっぱランカスターだろ」とか「いやいやモスキートだな」とか「ハリケーンだよ」とかおっしゃる方も居るかもしんない。 ちょびっと捻ったところでは「ソードフィッシュでしょ」という御意見や「タイガーモス一択」あるいは「アルバコアだ」なんて奇特な方もいらっしゃるかも。ちなみにわたくし寿はスピットよりもバラクーダだったりなんかします。「なんじゃそりゃ」なんて言いっこなし。お互い様、お互い様。今回は手持ちキットが無かったので次点の登場と相成りましたけど。



 それでもスピットが英国の代表的な機体であることに異論は無いでしょう。押しも押されぬ救国の戦闘機だし。今回の特集でも作っている方いっぱいいらっしゃるんじゃないかしら。どうにも本国の方では日本でいうゼロ戦以上にカリスマのあるヒコーキのようで、エアフィックスなどでも偏執的なまでに実にしつこくキット化されてますよね。とある英国の御仁は1/1のスピットのモックアップ、ではなくて「1/1のエアフィックスのスピット」(ココ大事)を作っちゃうくらいですしね。 (っていうかエアフィックスの熱狂的なマニアなのかも、ですが)博物館は無論、書籍やその他の資料でもちょっと捜しただけでもゴマンと出て来るし、ヨーロッパのエアショウでもフライヤブルな機体は引く手も数多な大人気だし。スピットを知らない人間は文明人に非ずってなイキオイですね。もうこれは英国人の中で独立した一個のキャラクターとして昇華されちゃってるんじゃないでしょうか。



 いいなぁ、スピットというだけで国民全体がお祭り的なノリになっちゃう辺り。日本じゃ1/1のタミヤのゼロ戦なんて作っちゃう酔狂、もとい男気のある人物が居てもあっちほどには盛り上がらないだろうしなぁ。むしろ「グンコクシュギのフッケン」だのどうのとイチャモン付けられるのが関の山かも。 (日本人のオーナーでゼロ戦をフライヤブルなまま維持しようとした方も結局資金繰りが苦しくなって手放してアメリカにいっちゃったし)文化の違いと言えばそれまでだけど、なんだか寂しい感じです。



 そんな訳でスピットは英国機の中では別格なのであります。王様なのです。英雄なのです。工業製品の姿を借りて神が与えたもうた奇跡なのであります。敬わずにはいられませんよね。(特にエゲレス人)英国の守護神としての伝説に加えてこの流麗な肢体。 モデラーをして作らずに居られるかーっ、てな感じですよ。細く引き締まったボディに天使の羽根のような見事な楕円翼。美しいですね。惚れ惚れしますよね。まぁ、わたくし寿は切断翼の方が好きなんですけど。



 こうなんか唐突にちょん切られて「まだ翼が続くぞー」的なラインが消え失せてる所がソソる訳ですが、なんかオカシイですかね。(ちなみにゼロ戦の32型が好きなのもそんな理由から)翼ぶった切っていかにも身軽になったというか見た目からして「ロール率高いぜ」的なこのシルエット。 俊敏な機体、ってな感じがしません?それをパワーアップしたマーリン66エンジンでぐいぐい引っ張るという辺りが素敵ですよ。まぁ量産が遅れて応急的なMkⅨにお株を奪われちゃったのはアレだし、更には就役前にグリフォン搭載機なんてのも出て来ちゃってなんとなーく影が薄くなったけど個人的には大変気に入っている機体なのであります。

製作の詳細

(写真1)いつものよーにコクピットから。今回はモールドに沿って指定色よりちょびっと濃い色合いを塗ってみました。コクピットの奧なんて暗くて見えづらいから明るい方がイイかな~なんて思っちゃったモンだから。

(写真2) 指定色の薄い緑色をぷー。うーん、なんか味気ないね。下地はやっぱもっと濃い方が良かったかも。


(写真3) まぁスミ入れしちゃえばいいか、ってことで細部をぺたぺた塗ってく。取り敢えずこんなもんかな。

(写真4) コクピット塗っちまったら後は早いっすよぉ~。ここまであっと言う間じゃね。主翼の付け根にちょびっと隙間が出来るんでセロテープで養生。


(写真5) ラジェーターにティッシュ詰め込んでマスキング。狭い所の塗り直しはメンドイからのう。

(写真6) うーん、取り敢えずこんなもんでイイかな。


(写真7) ってことで下塗り開始です。いつものよーにまずは下面からね。ニュートラルグレーを筆でぺたぺた。

(写真8) やっぱいつものようにこの段階で茶褐色にてスミ入れをば。


(写真9) そろそろタイヤハウスもマスキングしときますか。

(写真10) 下面の下塗りを指定色でボカして塗ったら次はお待ちかねの上面であります。まずは緑の部分を筆塗りで。うん、ムラムラじゃね。やっぱムラあってこその筆塗りですよ。


(写真11) 下塗りよりも淡い色で下地のモールドカラーが出ている部分を優先的に塗ってく。どーせ後でエアブラシでボカすから多少きちゃなくなっても気にしない気にしなーい。

(写真12) まぁこの程度でイイかな。あんまり執拗にやってると折角の濃淡が無くなってつまんない色合いになっちゃうからね。


(写真13) 次はサンド系の色だけどその前にスミ入れやっとく。明るい色を塗る前に濃い色の部分だけは先に決着をつけておかねばならんからのう。

(写真14) やっぱり指定色よりも濃い色で下塗り。うーん、こんな色合いかぁ。此所までくるとぐっと完成に近づいてきた気がするぞ。


(写真15) 下塗りが終わったら後はエアブラシで上塗りの色をぷーと吹くだけ。ただ塗り込み過ぎには注意であります。せっかくの下地を完全に隠蔽しちゃったらもったいないからね。筆目がうすーく見える頃合いまでもってゆくのがミソ。

(写真16) アップにすればこんな感じ。艶のムラだけはちょびっといただけないので、最終段階にトップコート吹いて馴染ませちゃう。




(写真17) 識別帯もベタ塗りじゃなくって、パネルラインを残す感じで。

(写真18) まぁ、こんな按配。




(写真19) デカール貼って細部を塗って貼っつけてトップコートを吹いたら出来上がり。ちなみに機体のラジオコールナンバーと機番、そしてノーズアートは例のごとくデタラメであります。いつもの事であります。軽く流しちゃって下さいって所です。みなさまはもうとうに分かっていらっしゃるとは思うけど念のためw

 それは兎も角、いや~やっぱスピットは美しいわ。後方視界がほぼ皆無ってゆーのが泣き所だけど、大戦末期にはバブルキャノピーになったりしたしね。実はこの辺りにも逸話があって、とある部隊長が新型のスピットを受領に行ったんだけど何故か手ぶらで戻って来た。曰く「新型のキャノピー、あれはスピットじゃない。だから断った。我々は今まで通りの機体でゆく」とのたまって、隊員達をがっかりさせたんだそうです。
 えーなにそれ。そこまで拘らなきゃならんのですかね?パイロットの生死に関わる問題だと思うんだけど、精神性っつーか伝統や伝説の方が大事なんでございましょうか。これもいわゆる騎士道精神の発露ってヤツ?いや~流石エゲレス。頑固だわ。



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