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特集 船 

(Photo)デンマーク海軍艦艇(哨戒艦&潜水艦)

by  コルディッツ
博物館実機写真

 デンマークは、ユトランド半島とコペンハーゲンのあるシェラン島及びバルト海に点在する周辺の島々からなる本土の他に、北大西洋上のフェロー諸島と北米の鬼門に位置するグリーンランド島の自治領から構成されています。
 本土~フェロー諸島~アイスランド(旧デンマーク自治領)~グリーンランドと海を挟んで結んだラインは、ナチス・ドイツやソ連邦が大西洋に進出する時に必ず超えねばならない関門でした。そのためNATO加盟国のデンマークは、ラインを行き来して自治領海域の警備を行うために、砕氷能力を有する艦艇を派遣しています。
その一隻のセティス級哨戒艦を偶然アイスランドで撮影したことがありましたので、ご紹介します。
 なおコペンハーゲン市内の海軍博物館でコッベン級潜水艦を拝観しましたので、合わせてご紹介します。デンマーク海軍は潜水艦の配備を2006年に全廃しましたが、これはソ連解体(1991年)により、NATOの対象が通常戦力ワルシャワ条約機構軍から、テロ組織に移った故かと。しかしロシアが往年の力を回復しつつある現在、デンマークは、そしてNATOはどのように対応するのか、興味が尽きません。


  セティス級哨戒艦 F360 ヴィスビョーネン(Hdms Hvidbjomen)
 レイキャビク港にて   2010年6月撮影

 アイスランドは軍備を保有していないので、普通の港に軍艦が
停泊していたのにビックリしました。
 セティス級4隻は哨戒艦に分類されていますが、艦種別記号は
フリゲートのFです。グリーンランド領海の哨戒なので、80cmの
砕氷能力を有し、船体外殻は二重構造、前甲板はタートルバック
構造。砕氷船として紹介されることもあります。ネームシップの
F357セティスはベルリンの壁崩壊の1989年進水。写真の4番艦
F360ヴィスビョーネンはソ連解体の年に進水し、翌1992年就役
し、現在も4艦とも現役です。
満載排水量3,500t 全長112.3m 全幅14.4m 全高37.0m 吃水6m
機関はディーゼルエンジン×3/1軸で10,800hp、最大速力20kn



 武装はM/85 76mm単装速射砲1基、爆雷投下軌条2条、
スティンガー近接防空ミサイル4連装発射機1基。   


 マスト上のレドーム下方に見張室あり。  







後甲板にリンクス哨戒ヘリコプター1機を搭載(のはず)。
アイスランドは1941年にイギリス軍に占領され、1944年に独立
するまでデンマーク自治領でした。なおグリーンランド、フェロー
諸島、アイスランドとノルウェーでは捕鯨が行われています。
データーは「世界の軍艦パーフェクトBOOK」(コスミック出版)と
日本文Wikipediaを参考にしました。    


 コッべン級潜水艦 207型 S323 セーレン
 海軍博物館(コペンハーゲン)にて   2010年6月撮影

同博物館はコペンハーゲン市内を流れる運河の東側Nyholmに
あります。アクセスは市営水上バス利用がお勧めです。
 元はノルウェー海軍が1966年に旧西ドイツから15隻購入した
コッベン級潜水艦で、その後デンマーク海軍に売却された4隻の
うちの1隻です。ノルウェー時代はS304ウトハウクでした。
 コッベン級は沿岸作戦用の小型潜水艦で、西ドイツで製造され
た207型潜水艦です。ベースは西ドイツ海軍が運用していた205型
潜水艦で、最大深度の向上などの改良が図られています。
 現在は15隻とも退役済みです・
排水量は水上435t、水中482t 全長45.4m 全幅4.6m 吃水4.30m
機関はディーゼル×2、電動機×1/1軸 水上上13.5kt 水中17kt、
潜航深度190m、乗員17名、53.3cm魚雷発射管8本。
「世界の艦艇パーフェクトBOOK」(コスミック出版)を参考にして
います。日本文Wikipedeia記載のデーターとは異なっています。











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