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疾風 (ハセガワ 1/72)
by
加藤 寛之
「飛行機模型スペシャル」№25は「帝国陸軍・帝都防空戦」で、これに本Web誌編集長の田口氏がこのキットの作例を載せていたのを見て“おお、いいぞ!”と影響され、作ってみた。
同記事によれば、1982年製だとか。
では、組む。
コックピットは床板と椅子、操縦悍、正面の平面な計器盤パーツでオワリ。組図ではエンジンパーツも入れることになっているが、胴体接着後に入れられる。尾輪は後で接着する方式。だから、コックピットの組み物を挟むだけで左右胴体パーツを接着できる。エンジンパーツを入れる前ならば、その穴を使って計器盤パートの位置修正もしやすいのもいい。
エンジンは前後列を一体でそれらしく造形した1パーツなので、これも中心を出しやすい。カウリング中央は胴体と一体で、前端が別パーツになっている。私はちょっとウッカリしたが、胴体側を丁寧に幅調整すれば、おそらく段差なく組める。上部にわずかの隙間が生じたが、瞬間接着剤を流すだけで目立たなくなった。
主翼パーツも優れている。後縁は上側パーツに造形して薄く出来ている。下側パーツの動翼側の角を軽く落とすと、上側パーツと合いが良くなる。これはどのキットでも同じことで、基本工作の範囲。それでもテキトウに合わせるとちょっと浮いたり隙間が出たりするので、しっかりと位置決めして押さえるとよい。胴体と主翼の接合も問題ない。普通の注意で充分。
主脚は「ちょっと太いかな」と思ってが、意外にもカッコイイ太さと分りOK。うっかりして接着位置決め用の突起まで切り落としてしまったが、まあ、どうってことなく接着できた。水平尾翼も、後縁が薄くてよい。そのまま使う。
プロペラは付根の後方を軽く削って改善したくらい。
これで形は出来上がり。
次は塗装。
本Web誌編集長の田口氏が緑茶系で作っていたので、私は銀色にした。銀を艶消しで塗り、次にシャインシルバーで調子をつける。動翼は、銀に灰色を加えて塗る。その後で、2000番のサンドペーパーでパネルラインの凸線を軽く撫でる。そうするとプラの地色が露出して、ちょうどスミ入れしたような効果が出る。
これも均一にしないことがカンジンだから粗雑でOKなので、超簡単な作業だ。プロペラも、その辺りにあったそれらしい色を塗った。左翼前縁にある着陸灯は、塗装で済ませた。落下タンクは黄色指定だが、これは自分の考えで灰色にした。マジメに考えたのは、この黄色か灰色かだけ。
デカールを貼るところで、指定の第29戦隊の青い大きな矢印がスキになれない。作る前から分っていたのだが、あらためて、貼りたくない。そこで、第47戦隊のものにした。
インチキといえばインチキだが、塗装はどうでもいい私には別に気にならない。イヤなモノを貼る必要はないと思うだけ。
そして完成。
開封から、もちろん日常生活も充分にして、3日後に出来上がった。「簡単に出来る」は、大きな加点要素だ。コックピットやエンジンは、どんな構造でもどんなに精密でも、ほぼ見えなくて、見えるのは全体の雰囲気だけ。それが、とても良く出来ている。
「簡単でパーツ数が少ない」「組立ても的確」「それでいて出来あがりの印象が良い」「凸線は工夫次第」「デカール2種で塗装2種」、そして「廉価」。
私の実感です。
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