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誌上個展

<日本航空史> PS-1・US-1

  by 加藤 寛之
プラモデル コラム

 PS-1・US-1を見る機会に恵まれないのは全国的に似たようなものだと思うが、私が住む海ナシの埼玉県で実機をみる機会はほとんどない。それでもずいぶん前に、航空自衛隊入間基地の航空際で上空を展示飛行する姿を何回か見ている。「降りればいいのに」と思った記憶があるので、US-1だったのだろう。大きな機体が、フラップを下げておそろしいほどゆっくりと飛んでいた印象だけがある。
今になって考えれば、ゆっくり飛ぶということは、「ゆっくり着水できる」というデモンストレーションだったのだろう。ゆっくり着水できればそれだけ衝撃が少ないはずで、それは高揚力装置の存在だけでなく機体強度や機体重量に関係する重要な意味があったのだろうが、そんなことは思いもしなかった。



 実機の印象はそんなものだから、ハセガワがキットを発売したときの印象こそ私にとってのPS-1・US-1になる。「プラモ・ガイド1971」の「新キット紹介」に「新明和PS-1」で載っている。ハセガワは九七式大艇とニ式大艇のキットを発売していたからPS-1も連想はできたが、本当に発売した。その製作記事によれば、発売のタイミングはPS-1の実機1・2号機があるだけ、後のUS-1とのコンバーチブルキットだが実物は脚部のモックアップだけ、呼称もSS-2だった。
当時、そんなにお小遣いに余裕はなく大きなキットは無縁だったし、広い面積で白を筆塗りすることは当時の私に不可能なことだったので、模型店に入荷してもキットの箱を開けてみただけだった。まあ、筆塗り白の件は数十年たっても改善したわけではなく、無神経とか気にしなくなっただけだが。完成品を見たのは私が十分にオトナになってからで、所属するS.L.B.の展示会だったと思う。素晴らしい出来だった。



 発売時は、マブチのベビーモーターを仕込んでプロペラ回転ができたらしい。これは邪道などではなく、私が所属するS.L.B.展示会ではペラが回転したりクルクル飛んだりするプラモデルは毎年大人気で、おもちゃ的な要素の楽しさを実感する。
 フジホビ-のビッグプレーンシリーズから、PS-1のちいさなキットも発売された。こちらのキットは「プラモ・ガイド‘73・春」で紹介されている。この製品の補助フロートの形は2号機用になっているそうで、これはあらためて記事を読むまで知らなかった。いや、そもそも形が違うことを知らなかった。



 写真は、しばらく前に1束いくらで購入した飛行機写真に入っていたもの。大きな機体がフラップを下げておそろしいほどゆっくりと飛んでいるUS-1の姿は、私が見たときの印象そのままだ。今なら、主翼前縁のスラットや大きく下げた後縁フラップ、飛行姿勢など、見たいところが多そうだ。
 ところで、ハセガワはUS-2の1/72キットを発売するのだろうか。ちょっと、期待している。 


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