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特集 ソビエト戦車 

(Photo)KV-1E in Finland

by  コルディッツ
博物館実機写真

 高校生時代のウォーゲーム、KV-1はホントに役立たずの戦車で、持て余しました。T-34と比べると若干装甲が良いだけで、主砲は同じ破壊力しかなく、機動性は劣り、同じフジミのキットかと疑うくらい生産性が低く(つまり組み立てづらい)、負の印象しか持ちませんでした。しかし還暦近くになって、KV戦車がソビエト初のトーションバー・サスペンションを採用し、生産された戦車と知り、少し見直しました。もっとも機械的信頼性は低く、ハンマーで叩いてギヤチェンジをしていたのは、本当のようですね。
 ドイツ系資本のスウェーデンのランツベルク社が世界初のトーションバー式を採用したL-60軽戦車を開発したのが1934年。翌年ドイツがⅢ号戦車に中途採用し、KVの開発と導入は1939年でした。それまでヴィッカース6トン戦車由来のリーフ・スプリング式なのに、一挙に最新技術に転換した眼力は大したものだと思います。しかも開発年中にテストとはいえ、早くも実戦投入(フィンランドとの冬戦争)していますから、一日でも早くドイツ軍戦車部隊に対抗できる戦車が欲しかったのでしょう。その点ではソビエトは英米仏と日伊よりも先見性があったと思います。
 1941年に独ソ戦が開戦し、フィンランドもドイツと共に1944年までソビエトと交戦します(継続戦争)。戦車不足のフィンランド軍は、捕獲したソビエト戦車を有効に活用していましたが、KV-1も2輌が無傷で捕獲され使用されました。
そして現在は2輌ともパロラにある戦車博物館に展示中です。
 同博物館の説明板によると、写真の戦車はKV-1E 1941年型で、1942年遅くにロシア領カレリアで捕獲され、1942年から1945年までフィンランド部隊で使用され。1961年6月23日に博物館入りしたとありました。戦車の塗装は継続戦争中のフィンランド軍のものです。なおフィンランド軍はKV-1を「Klimi」 と呼んでいたそうです。


KV-1E 1941年型
 戦車博物館(パロラ、フィンランド)にて  2018年7月撮影
 KV-1EのEは、増加装甲したことの意味と日本語Wikipediaにありました。
 75mmの装甲に35mmの装甲板をボルト止めしているので、ゴツゴツした
感じが戦車らしくて気に入りました。もっともこのため重量は50トンを超え、
機動性はますます悪化したそうですが…
 通信機器や電気、照明灯はフィンランド軍仕様に改めていると、何かで
読みましたが、現在出典不明です。ご免なさい。






















KV-1B
 戦車博物館(ボービントン、ドーセット州)にて   2010年7月撮影
初めて見たKV-1です。B型という表示は博物館の説明板によりますが、
実はそのような型式はソビエトにはないそうです。


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