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1/72で綴るソ連レシプロ戦闘機の系譜
第6回 La-5FN (ITALERI 1/72)
by
akaihoshi2004
第二次世界大戦におけるソ連戦闘機は従来、性能が低く見るべきものが無いとされて来ましたが、実は大戦末期にはドイツ機と肩を並べるほどに発展していました。このシリ-ズではソ連の単発レシプロ戦闘機に焦点を当て、1/72の模型を使って概ね年代順に辿って行きます。
La-5シリ-ズは大戦中期に登場して約1万機も生産され、ヤコブレフ戦闘機と並んでソ連戦闘機の中核を担いました。技術的には前作LaGG-3の液冷エンジンを強力な空冷エンジンに換装して成功したもので、搭載しているエンジンの違いにより、La-5(無印),La-5F,La-5FNの3タイプに分かれます。本作例のLa-5FNはLa-5シリ-ズの最終生産型で、離昇出力1,850馬力と強力な ASh-82FNエンジンを装備しており、機種名末尾の「FN」はこのエンジン型名から来たものです。一説によれば、本機の登場により、ソ連は初めてドイツ戦闘機と互角の性能を持つ戦闘機を手に入れたとも言われています。
BOXア-トは真っ赤に燃える夕焼けの雲上を飛ぶLa-5FN。東部戦線でドイツ軍に鹵獲された機体という設定でドイツの国籍マ-クが描かれていますが、機体の線がやぼったくてとてもドイツ機には見えません。ということはつまりLa-5の特徴がきちんと描かれているということですね。絵は背景が単調で間延びした印象ですが、箱の上辺2割ほどを文字のスペ-スに使っているので画面が横長になり、特に左側余白の間延び感が助長されています。
キャラメル式のコンパクトな箱を開けると2枚のランナ-に分かれた小柄なパ-ツが出て来ます。モ-ルドはシャ-プでバリも少なく良い感じです。分割もごくオ-ソドックスでムリがありません。実際合いは良く、段差やすき間はあまりできないので組み立てにストレスは感じませんでした。ただし私は日頃、ロシア・東欧系の古い難物キットを手掛けることが多いので、近ごろの優秀キットに比べればこのキットの合いの良さは平凡なレベルなのかも知れません。
部品点数は42個で、1/72単発大戦機としては普通か少し多めでしょうか。見ると形がしっかりした空冷星型エンジンが入っていますが、カウリングの奥深くに収まるのと前面に防寒シャッタ-のパ-ツが付くので完成するとほとんど見えなくなります。この辺は割り切ってエンジンの塗装を簡略化してしまうのも手だと思います。コクピットは床板、シ-ト、操縦桿、計器板の4パ-ツから成り、必要かつ十分な内容です。
塗装は下面のライトブル-のみスプレ-で行い、その他の色は筆塗りしました。色の境界はエナメルなどを使ってもっとぼかした方が良かったかも知れません。でも資料を漁っていると色の境界がぼやけていない写真も散見されます。なにぶん戦時中なので、塗装仕様が機体によってバラバラなんていうことも有ったのではないでしょうか。この作例は箱絵を参考にぼかしの無い塗装にしました。ラッカ-で塗り上げてから最後にエナメルで排気煙の黒と気流の白すじ汚れを描いています。
デカ-ルは箱絵のドイツ鹵獲機とソ連軍機が選べるコンバ-チブルです。印刷/発色とも良好。ちょっとフィルムが硬めで糊が弱い感じがしますが、デカ-ル軟化材を使わなくても問題なく貼れました。難を言えば赤星の白ふちの幅が広すぎるけれど、貼ってみたらそれほどの違和感は感じなかったので良しとしました。
下記アドレスは本稿の筆者のホームページです。ご興味がありましたらどうぞご覧下さい。
http://w01.fitcall.net/akaihoshi/
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