F-35Bが岩国基地へ配備され、日本では既に見られなくなったAV-8B ハリアーIIですが、米海兵隊では2028年まで使い続けるということです。今回の製作事例で紹介するAV-8B
ハリアーIIプラス は、ハリアーIIに夜間攻撃能力を付与したAV-8B(NA) ナイト・アタック・ハリアーをベースにレーダ搭載型に改良された、ハリアーIIの最終バリアントです。一番の特徴は、延長され太くなったノーズで、その中にはヒューズ・エアクラフト社製のAN/APG-65
パルス・ドップラー・レーダが収められています。元々F/A-18レガシー・ホーネットに搭載されていたこのレーダは、ハリアーサイズの機体には重量ペナルティがあったのですが、
|
|
プラナーアンテナのサイズを小型化するとともにAV-8B(NA)でエンジンが推力を増したペガサスF402-RR-408へと換装されていたことから搭載が可能になりました。このレーダの装備により、従来のハリアーIIの爆撃システム、ARBS(Angle
Rate Bombing System)に比べて対地攻撃精度が向上し、また対空目標に対してもAIM-120の運用能力が付与されたことにより、見通し外目標への対処が可能となり、防空任務まで役割を広げることができるようになりました。またナイト・アタック・ハリアー同様GEC社製のFLIR(Forward
Looking Infra-Red)センサーを機首上部に装備するとともに、AN/AAQ-28 LITENING II ターゲティング・ポッドの搭載も可能となり、全天候性が一層向上しています。
|