Home > (Photo) Albatros D.Va in AWM<博物館実機写真<2019年8月号

 

(Photo) Albatros D.Va in AWM

by  コルディッツ
博物館実機写真

 アルバトロスD.Va複葉戦闘機は、1917年4月の西部戦線で「血まみれの四月」を演出したアルバトロスD.Ⅲを改良したD.Vを、さらに改良した機体です。
D.VaはWWⅠのドイツ帝国陸軍航空隊の主力戦闘機として、敗戦の日まで任務を続けました。先々代のアルバトロスD.Ⅲの4月の戦果は、英軍機機368機とその乗員500名と言われ、リヒトホーフェンの愛機でもありました。しかしニューポール11の一葉半型式を真似た主翼は、下翼が剛性不足で、飛行中に翼が破壊される欠陥がありました。故佐貫亦男教授は著書「続・ヒコーキのこころ」(光人社NF文庫)の一篇「血まみれの四月」で、このことを「アルバトロスⅢ型がニューポールの欠点、すなわち、下翼の捩れフラッターまで持ちこんだことは批判されてもよい。」と書いています。
 D.Vは重量軽減と上翼を12cm胴体に近づける改良を施しましたが、欠陥はそのままで、リヒトホーフェンを含め、パイロットには不評でした。そこで翼桁を強化し、エンジンを170hp/hから180hp/hに換装したD.Vaが1917年10月に登場して、敗戦の日まで第一線機として活躍しました。
 D.Ⅲ、D.V、D.Vaで実機が残っているのはD.Vaが2機だけのようです。1機はスミソニアン航空宇宙博物館に展示中ですが、私は見た記憶も撮影写真ありません。あの頃はアナログ・カメラ中心で、元々記憶容量が少ない上、あまりWWⅠ機に関心がなかったので…もう1機はオーストラリア戦争記念館(AWM)に展示中です。こちらは美しい木製セミモノコック胴体を鑑賞することが出来ました。昔々入店した「ディスコ」のような照明の変化に悩みながら、撮影させて頂きました。


Albatros D.Va  D5390/17
 オーストラリア戦争記念館(キャンベラ)にて   2018年4月撮影
 記念館の説明板によると、同機は1917年12月17日に英国航空隊第3部隊
のR.E.8を攻撃中に、損害を被りベルギーのオーストラリア陸軍の前線近く
不時着して捕獲され、オーストラリアのトロフィーになったものです。
 プロシア王国第29戦闘機隊所属機で、操縦士のルドルフ中尉は戦傷を
負い、捕虜になりました。一方R.E.8の乗員2名は戦死しました。  


アルバトロスD.Ⅰ、D.Ⅱは単張間複葉でしたが、D.Ⅲから一葉半(セスキプラン)になりました。翼間支柱も平行からV型に。  






















「木製モノコック胴体は、木型の上に薄い合板の帯を斜めに巻きながら
張りつけ、その作業を三回くりかえす。木型を抜くと張殻つまりモノコック
が残る。」と故佐貫教授は「続・ヒコーキのこころ」の「血まみれの四月」に
記しています。  



Home >(Photo) Albatros D.Va in AWM<博物館実機写真<2019年8月号
Vol.132  2019 August.    www.webmodelers.com /Office webmodelers all right reserved /
                 editor Hiromichi Taguchi 田口博通 /無断転載を禁ず  リンクフリー

「webモデラーズ について」 「広告のご出稿について」


プラモデル模型資料記事


TOTAL PAGE