Home  > 1/72で綴るソ連レシプロ戦闘機の系譜 第7回 Yak-7B (VALOM 1/72)<飛行機プラモデル製作 <2019年8月号 

誌上個展

   1/72で綴るソ連レシプロ戦闘機の系譜

   第7回 Yak-7B (VALOM 1/72)

by akaihoshi2004

 第二次世界大戦におけるソ連戦闘機は従来、性能が低く見るべきものが無いとされて来ましたが、実は大戦末期にはドイツ機と肩を並べるほどに発展していました。このシリ-ズではソ連の単発レシプロ戦闘機に焦点を当て、1/72の模型を使って概ね年代順に辿って行きます。 


 Yak-7はYak-1を基に開発された複座の高等練習機で、1941年前半から生産が開始されました。しかし、その年の6月に独ソ戦が始まるとドイツ空軍の猛攻でソ連戦闘機は激しく損耗、ソ連軍は深刻な戦闘機不足に陥ります。Yak-7を生産していた工場にも戦闘機生産の命令が下りますが、生産ラインを切り替える猶予もない緊急事態に工場サイドはYak-7をそのまま戦闘機化することを提案、こうしてYak-7は戦闘機としての道を歩き始めました。当初は後席が残ったままで武装も貧弱でしたが、Yak-7Bになると後席は廃され、さらに機首上部の武装が強化されています。



 BOXア-トは浅い角度で降下しながら機銃を発射しているYak-7Bで、右翼下の地上では何やら爆発の白煙らしいものが立ち上っているところを見ると、対地攻撃中の1シ-ンの様です。キットの塗装説明図では1943年春・レニングラ-ド戦線となっています。機体表面に白い部分がまだらに残っているのは冬の間に応急的に塗った白い水性塗料が剥げ残ったもので、今回はこれを模型の塗装で再現して見ました。



 VALOM は21世紀になってから活動を始めたチェコのキットメ-カ-で、1/72の飛行機をメインに一部1/48と1/144のラインアップも有ります。キット内容は同社製品に共通の構成として、簡易インジェクションのメインパ-ツにレジン製の小物とエッチングパ-ツが付きます。この構成の利点はサブタイプのシリ-ズ展開が容易なことで、各タイプの共通部分はインジェクションで、異なる部分はレジンで再現されます。このキットの場合、翼下に付くロケット弾とその発射レ-ルがレジンなのは頷けるんですが、タイヤやプロペラ軸など一部の共通部分もレジン製でした。



 メインのプラパ-ツは私の基準では優秀の部類で、プロポ-ション,パ-ツの合い,表面のディティ-ルとも十分合格点です。ただ難を言えば主脚庫に翼厚方向の壁が無いのですき間から翼内部が見えてしまいます。まあ目立つ場所ではないのでそのままでも良いとは思いますが、私は気になったのでパテで塞ぎました。あとプロペラの軸受け穴にズレが有り、スピナと機首がしっくり合いません。これは私の作業ミスの可能性も有るのでキットのせいとは断言できないけれど、これからこのキットを作る方はプロペラの仮組みを十分されることをお勧めします。



  塗装はまず下面ライトブル-と上面緑&黒の夏季迷彩をラッカ-できっちり塗り上げておきます。その上にエナメルの白を平筆でベタ塗りします。酷い筆ムラができますが気にしません。次に筆にエナメルシンナ-を含ませて、今塗った白を適度に拭い取ります。この作業は一発で決めるのは難しいけれど、拭い過ぎた所はまた白を乗せて何度でも修正できるので気が楽です。まあ多少根気は要りますが、やってればそのうち何とかなります。



 デカ-ルは十分薄くて貼った直後は良い感じに機体に密着していたのですが、糊が弱いと見えて乾くにつれ浮いて来ました。そこで半乾きの内にマ-クセッタ-を塗布し再度密着させています。最後は小物を付けて完成。ロケット弾と発射レ-ルはレジン製なのでプラ用の接着剤は効きません。この作例では木工ボンドを使いました。レジンでも小さいパ-ツなら木工ボンドで接着できます。

下記アドレスは本稿の筆者のホームページです。ご興味がありましたらどうぞご覧下さい。
http://w01.fitcall.net/akaihoshi/


  Home> /72で綴るソ連レシプロ戦闘機の系譜 第7回 Yak-7B (VALOM 1/72)<飛行機プラモデル製作 <2019年8月号
Vol.132  2019 August    www.webmodelers.com /Office webmodelers all right reserved /
 editor Hiromichi Taguchi 田口博通 /無断転載を禁ず  リンクフリー
「webモデラーズ について」 「広告のご出稿について」

プラモデル誌上個展

TOTAL PAGE