立川飛行機の製作したキ-55 九九式高等練習機の初飛行は1939年4月ですが、前年に初飛行したキ-36 九八式直接協同偵察機を改造した機体が原型でした。基本が共通の両機は、操縦性、運動性に優れ、整備も容易で、帝国陸軍航空隊の下支えの役割を果たしました。
九八式直協は1,344機、九九式高練は1,386機生産され、両機の外見上の違いは、主脚のスパッツ装着の有無(有は直協、無は高練)とされます。が、決定的ではないようです。
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それはタイ空軍博物館の現存機はスパッツ装着なのに、九九式高練と紹介されることが多く、私もそう紹介しました。それは博物館の英文表示が「立川キ36 Ida練習機」だからです。
一方中国の2機の現存機はスパッツ無しですが、九八式直協と紹介する日本語文献もありで、本当の所は判りません。しかし直近で拝観した中国人民革命軍事博物館の表示は「日本造立川九九式高級教練機」でした。
同博物館は九九式高練を1階ホールの中央に配置しています。この人民解放軍空軍史に忠実な展示は、リスペクトしたくなります。 |