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LET Z-37 CMELAK (KP MODEL 1/72)
by
五六式(TYPE-56)
今回は,第1特集”民間機”に合わせてKPのLET Z-37チメラックを製作しました。LETってどこのメーカー?チメラックって何?と思う方も多々ありましょうが・・・詳しくは次項で。
実機を見た日本人はほとんどいないのではないかという,マイナーで地味な機体ですが,キットが目にとまったんだから,仕方がないよね。
<実機について>
チェコスロバキアのLET(小型旅客機L-410ターボレットで成功)とZLIN(初等練習機Z-142が10数カ国で採用されている)が共同で開発した農薬散布用の航空機で,チメラックとは,マルハナバチの意。
原型機XZ-37は,1963年に初飛行し,総生産数は,677機で主に東欧諸国で広く使用された。なお,677機のうち,27機は,復座の訓練機であった。Z-37の型式名よりZLINが主導して開発されたと思われる。
<キットについて>
チェコのKPモデル製で初版2018年の新しいキットです。多くの東欧キットに見られるように,部品を合わせるためのダボがないのですが,ものは考えよう。下手に精度が悪いガイドが付いていて部品の接合がずれる(五六式は,タミヤ1/48ハリアーGR-1で地獄を見ました。)より,何もない方がかえって工作が簡単になります。
組み立て説明書は,一見きれいですが,部品の形が違っていたり,左右の部品の番号が入れ違っていたり,動翼の取り付け位置が分からなかったりと残念なところが散見されます。五六式は,仮組みを何度も行いましたが,それでも何だか納得できないところがいくつかあります。
なお,Z-37の動画がネットで意外に多く拾えるので組み立てや塗装の参考になります。
<製作>
コクピットの組み立ては,説明書通りだと失敗します。幸い,胴体部品と背当てや床との接着ガイドは精度がよいので胴体部品を治具にして背当てと床を接着して一晩置き、これを土台にして他の部品を取り付けていきます。説明書の計器盤の取り付け方は,完全に間違っています。計器盤は,コクピットの部品の組み付けが終わってから胴体部品を貼り合わせる直前に組み込むとよいでしょう。
動翼の部品の取り付け位置は,説明書を見てもよく分かりません。左右の部品番号も入れ替わっているし・・・。仮組みをして何とか形にしましたが,これ,絶対に間違っていますネ。
操縦席後方の丸いモールドははっきりしていなかったので,そこに,直径が同じくらいのランナーの輪切りを貼り付け,それをガイドに筋彫りをして後からランナーを削り取りました。
フィレットの後端近くにあるステップは,部品にありませんが,よく目立つので,交換して不要になったギター弦を使って再現しました。ギター弦は,堅いし,加工しにくいし,ペンチも傷みますが,手もとにあるのでついつい使ってしまいます。
脚部の取り付けは,きつかったので穴の方を小径ドリルで広げてやりました。
排気管は,穴を開けてパイプらしくしました。
航法灯や翼端灯は,個体によって付いていたり付いていなかったりするようです。今回は,それに甘えて追加工作はしませんでした。
基本色は,初め,ただの黄色だと目に痛いかなと思ってキャラクターイエローで塗装しましたが,実機はここまで赤が強くないので,タミヤのキャメルイエロー(中嶋さんのロータスの色)に塗り替えしました。
<完成>
人に言えないような幾多の失敗を乗り越えて完成しました。
頭でっかちなプロポーションから小さな機体と思われがちですが,第二次大戦時の戦闘機ぐらいの大きさの機体です。
コクピット後方の注入口から農薬を積んで,下面の噴霧器で農薬をまいていきます。
動翼を見ると,STOL性能が高そう・・・。低速で畑の上を飛行するのに適した機体設計です。
コクピット後方の窓はデカールで再現。ここを透明にすると,農薬のタンクを再現しなくてはならなくなるので,ある意味賢い選択です。
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