「アサヒグラフ」昭和13年5月11日号は、2機が東京飛行場に到着したときの写真を掲載している。副題に「満航姉妹機の空輸成功」とあって、それが大飛行であったことを示している。そして、ベルリン~東京を丸6日、実飛行時間52時間44分とある。『日本航空機総集Ⅵ 輸入機篇』によれば、4月23日発・29日着で、途中6か所に着陸、143時間43分とあって、実飛行時間は57時間51分と56時間18分とある。なぜ両者で異なるのか、私はわからない。 He116の2機は乃木号、東郷号と命名され、日満間の郵便輸送に使われたという。
|
|
モノクロ写真では色が分らないが、「アサヒグラフ」の記事は機体色にも触れており、「軽快な黒線入りの淡灰色の機胴に主翼と尾翼の卵黄色がすっきりしたドイツ的色彩」とある。ラダーに書かれた「J」の字は、2機でタテヨコ比が異なっているし、機首右面に1機は「HEINKEL」とあるが、もう1機には見えない。プラモデルがあれば塗装の参考になるし、プロペラは木製だとか、主翼は木製外板がからリベット再現をしちゃダメとか、何かと使える内容を書いたが、現状ではほぼ無意味だ。 |