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連載 1/72飛行機を飛行姿勢で作ろう No.31
ユンカースJu86 (イタレリ1/72)
by
クラキン
8月号ではお休みした「1/72飛行機を飛行姿勢で作ろう」の31回目です。
今回はレシプロ機としては初の双発機、しかも電飾と電動を同時に組み込むという初挑戦てんこ盛りです。(自画自賛・・・)
キットはかなり古いイタレリ1/72のユンカースJu86旅客機型です。
【実機について】
ヴェルサイユ条約の縛りで軍用機の開発ができなかったドイツが、旅客機の名目で開発した双発機で、ハインケルのHe111と同じような生い立ちの飛行機です。
強いテーパー翼は同じユンカースのJu52や87と似ています。
実際には1934年に軍用型が初飛行し、翌35年に旅客機型が初飛行しています。
当初は空冷星型9気筒エンジンを積んでいましたが、後に水冷上下対向直列6気筒12ピストンのディーゼルエンジンを搭載しました。
旅客機型は10人の旅客を乗せることができ、スイス航空やルフトハンザ航空で使われた他、満州航空、南アフリカ航空、ボリビア航空(ロイド・ボリビアーノ航空)、チリ国営航空、スウェーデンのABAでも使われましたが、殆どが第二次世界大戦で軍に徴用されたようです。
初飛行の1935年は日本のニッポン号(九六陸攻)と同じ年であり、機体の外観も非常によく似ています。
【キットについて】
初版の発売時期は定かではありませんが、結構古いキットであることは間違いなく、動翼部分以外は全て凸モールドです。
パイロットや乗客のフィギュアはついていませんし、客室も床板以外は何もなく、空っぽです。
インストは英・伊・仏・和の4ケ国語で書かれていますが、あまり判り易いものではありませんし、塗装指示も中途半端で一部は怪しげです。
箱絵
インスト&デカール
パーツ
主翼上面と胴体の合いは完璧ですが、胴体中央部下面のパーツと胴体、主翼、及び閉状態の主脚カバーとの合いが悪く、隙間や段差ができてしまうため、パテによる成型が必要です。
コックピットキャノピーと胴体の合いも少々問題があので、私は胴体機首側に薄いプラ板を挟んで機首部分の幅を若干拡げて、キャノピー側も少し削って合わせました。
水平尾翼中央の前部と胴体の合わせも調整(削り)が必要です。
一方で主翼とエンジンナセル、主翼上面と胴体との合いは完璧です。
胴体下面の修正
【製作について】
冒頭に書きました通り、電飾と電動を組み込みました。
電飾は両主翼の翼端灯と客席の天井照明です。
翼端灯は主翼の分厚い部分に仕込んだ3mm砲弾型LED各1個から光ファイバーで翼端迄持っていきました。
客席の天井照明は実機では10個位付いていますが、省略してチップLED2個を仕込みました。
これに合わせて空っぽの客室に10名分の客席と天井板をスクラッチしました。
パイロット1名と乗客4名(搭乗率40%じゃ赤字でしょ??)をジャンクフィギュアからスカウトして乗せましたが、全部軍用機パイロットのフィギュアなのでシートベルトや飛行帽・ゴーグルなどを削り取って民間人らしい塗装にして誤魔化しました。
合計4個のLEDは単三2本の3V電源に合わせて全て並列接続です。
翼端灯
客席
電動は双発エンジンに4mm径のマイクロモーターを1発づつ直列接続で繋いでプロペラを回しました。
これらの電源は飛行姿勢用のスタンド台座内に単三2本(3V)を置いて供給しています。 LEDを並列にし、モーターを直列にしたのは、この電源に合わせたためです。
モーター2個を直列で繋いだことによって、1個当たり1.5Vになり、ちょうど良い回転になりました。(配線図を付けます)
双発機の電動/電飾は初めてなので、機内の配線と主翼と胴体の組立てジョイントはかなり悩んで苦労しましたが、なんとかクリアできた感じです。
次回はもっとスマートに手際よくできるよう工夫が必要です。
モーター
機体内部配線
マーキングはスイスエアとルフトハンザの2種類がついていますが、迷わずルフトハンザを選びました。
垂直尾翼の赤に白丸は塗装です。 鍵十字はジャンクデカールから調達しました。
機体の色は無塗装銀なのか、銀塗装をしていたのかはっきり判りませんが、実機の写真を見ると部分的に色合いが違って見えるので、無塗装銀だったと勝手に解釈して、クレオスのスーパーファインシルバーとスーパーチタン、メッキシルバー、8番銀の4色と下地のグロスブラックの有無で変化を付けました。
【スタンド台座について】
今回のJu-86専用ということではなく、1/72の双発機用の汎用スタンドとして使いまわす予定です。
台座部分は115mm×175mm×22mmで、前回Fw190で作成した単発機用スタンドの台座と全く同じサイズです。
違うのは支柱の太さと長さです。
単発機用が6mm径×115mmでしたが、今回の双発機用は8mm径×160mmです。
支柱はタミヤのプラパイプでクレオス2番黒にクリアラッカー仕上げです。
台座は木製で、マホガニーのオイルステインの上からクリアラッカーで仕上げています。
内部構造は単発機用と全く同一で、単三2本とON/OFF切り替えのシンプルなトグルスイッチのみです。
機体とのジョイント部分は双発機で機体が重くなることを考慮してネオジム磁石を前後に2個配置しました。(単発機用の場合は前方の1個だけ)
ICソケットのコンセントは単発機の場合と全く同じです。前方がマイナスで、後方がプラスです。
台座内部
ジョイント部
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