Home  > Fw190A-8/R-8 (トライマスター 1/48)> 飛行機プラモデル製作>2019年10月号


 Fw190A-8/R-8 (トライマスター 1/48)

  by 加藤 寛之



 基本的に72派で簡単キット大好きモデラーの私が、ちょっと作りかけのこのキットをもらった。
簡単キットの対極みたいなキットだけれども、ご好意には応えたい。



 では、作る。
トライマスターであっても、私は面倒な工作をしない。見えないところは作らないし、自分基準でどうでもいいところは省く。
 風防の後部パーツは、閉じて作ることにする。そうすればコックピット内はほぼ見えないので、大幅に省略できる。コックピットは作りかけの計器盤に難があったので、プラ板で計器の上部のみ作る。エッチングのサイドコンソール上面パーツやペダルはつけない。椅子もエッチングパーツのベルト類などは、塗装で代える。機内色は黒にする。これで一層、細部が気にならなくなる。ただしドライブラシ的に角を明るい色で擦り、メリハリを付けておく。
 背部の頭当て周辺は、代替のプラパーツがないのでエッチングパーツで組む。これはやむを得ない。風防の後部パーツには、防弾ガラスを付けるので“曇るだろうナ”と思っていたら、枠に厚みをつけて浮かせ、ガラス面は接着しない構造だった。これは、いい方法。以前に本Web誌に載せていただいたタミヤの彩雲を作ったときも、垂直尾翼は合わせるだけで接着していない。だから透明に組める。それと同じ発想のパーツで、ちょっと嬉しかった。



 脚庫も、エッチングパーツはつけない。下面の穴の中なので、上から見たら見えないので支障ない。脚庫パーツを主翼下面パーツに接着するときは、強固に隙間なくつける。これで上反角が決まる。上下面の接着は容易。だが、主翼パーツの胴体と合わさる前端は、どうにも扱いにくい分割。“どうなるの?”とカチャカチャしていたら、折れてしまった。まあ、それならそれで、簡易キット的な強引さでランナーやプラ板で埋めて、少々のパテで整形して済ませた。
 主翼で思ったことがある。それは主翼全体の形が、数十年前に長谷川一郎氏というソリッドモデラ-が作ったFw190D-9の主翼の印象にソックリだったこと。木を削って作るソリッドモデラ-の凄さに、軽い感動を覚えた。
 胴体は下面後部で主翼パーツよりも狭いので、胴体左右の接着面にプラ板を挟んで合わせた。まあ、難なくできる。このキットの型式には、胴体側面に追加装甲板を接着する。僅かに胴体と合わないが、支障ない範囲。これも、難なく接着できる。
 あとは組み進めればよいのだが、その各所にある不親切さはイヤだった。当時、このキットを買いたい人は経験豊富なモデラーだろうから心配ないのだろうが、これは「普通のモデラー」では組めない製品だし、経験豊富なモデラーでももう少し簡単な方がいいんじゃないかと思うのだが・・・まあ、いいか。
そうはいいながら、とりあえず組みあがる。



 では、塗装。
 実際は塗装を選んでから、それに合わせてキット細部を作り分けるのだが、私が選んだのは黒い機首の方。もう一つは機首が赤で塗りにくいし、胴体もいかにもドイツ機って塗装なので、面倒・・・で、作例の黒い機首の機体になった。機首の黒は、タイヤブラックにした。真っ黒だと趣がないし、この色ならば「黒」でメリハリをつけられる。ペラとスピンナーは、ホントの黒。黒さに差がある方が面白そうだから、というだけ。
 デカールは、細かいものはほぼ省略。これも自分基準で決めた。
 最後に付けた機銃が、気づいたら1つがやや下に向いていた。こういうのに限って丈夫に接着できていて、もう外れない。まあ、いいか。



 さて、感想。
 実に良く出来ていると思った。でも面倒なキットだった。私はカンタンなキットが好きなのだ。
そのうちに旧オオタキ(現マイクロエース)のFw190を組んでみようと思う。発売年も、お値段も、部品点数も、全然違います、・・・出来も違うだろうけど。



  Home>Fw190A-8/R-8 (トライマスター 1/48)> 飛行機プラモデル製作>2019年10月号
Vol.134 2019 October.   www.webmodelers.com /Office webmodelers all right reserved /  
           editor Hiromichi Taguchi 田口博通 /無断転載を禁ず  リンクフリー
「webモデラーズ について」 「広告のご出稿について」
 

プラモデル模型製作記事

TOTAL PAGE