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 ミーティアⅢ (エアフィックス 1/72)

  by 加藤 寛之



 そんなに新しいキットではない。全面に凸リベットが打ってあれば精密に見えた時代のもので、『プラモ・ガイド 1971』の「新キット紹介」に、フロッグのキットと一緒に掲載されている。
 私には、ミーティアって、どう見てもカッコいいとは思えない。
設計者って、きっとこんな感じに考えたんじゃないかな。
推力が乏しから双発が必須なのにエンジンの大きさが決まらないから、そこだけ設計変更すればなんとかなる装備位置としておこう。吊り下げる方法もあるが(Me262だな)、重い脚は短いほうがいいから主翼の中央に付けよう。
上に膨らめるのはどうかって?それじゃあ揚力が阻害されるし、尾翼が燃えちゃうよ(ホンダジェットは凄いな)。
離着陸時に草が燃えると困るので前輪式にして(アタッカーよりも考えてある)、これも燃えると困るしエンジン排気で気流が不安定だとやっかいなので、水平尾翼の位置は上へ(これでモーメントも稼げる)。エンジンひとつが止まったり左右でバランスが崩れたりしても我慢できるように、テールモーメントを長くしておこうか。そうすると尾ソリが要るな。後ろが長いし重量バランスをとるには機銃と人間は前~~~の方に置くとしよう、視界もいいしな・・・みたいな形だ(ホントの設計者がどう思ったのかは知らないけど)。



では、作る。
 昔のキットのコックピットは簡単でいい。それでも錘を入れるために計器盤はつけない。ここに錘をガッチリと入れて油粘土で固定する。お人形さんを入れないと操縦悍ナシになるが、気にしない。これで胴体左右が接着できる。簡単でいい。
 主翼はエンジンナセルの前方に翼桁のカバーなのか板を入れるときに曲がらないようにする。それで上下パーツを接着。速やかに接着することで、前述の板が曲がっていてもナマ乾きならば修正できるから、ここはスピード感が大切だ。
 この主翼、前縁は四角っぽいし、後縁はダルく&驚愕の厚さだ。接着剤が固まったら、前縁は丸く・後縁は削り上げと少々の上面削りで、何とか主翼に見えるようにする。ここで、実機の翼断面形がどうの、などど考えてはいけない。それらしければ良いのだ。



 胴体と主翼を組み合わせると、フィレットから胴体への流れが酷い。これは、酷い。ガリガリと削って、“まあ、いいか・・・”にした。
 エアブレーキは開閉選択式・・・なのだが、実機はブレーキ板の穴に合わせた凸が翼にあるので、閉じると平らになる。もちろん、展開すれば穴がある。キットはエアブレーキのパーツに窪みが付けられたもので、実機のどちらでもない。ここは、閉状態にして、凹の窪みにパテを薄く擦り込んで、“まあ、これでいいか”にした。
 主脚は、強度無視・作りやすさムリ、みたいな構造。左右の傾きが生じないように接着するのは神頼みだ。思ったよりもウマく出来て、一安心。強度不足は、脚カバーと接着することで、なんとかした。実機じゃないから、それでイイのだ。



 塗装は、いつものようにテキトウだから、説明することはない。
 デカール貼りで、やめればいいのにヤッてしまった。それはキットデカールを使うこと。“変色しているけど割れていないし、これって、使えるかも・・・”。お湯に入れて数分、割れずに剥れた。“・・・硬い”“変色で黄色い・・・”。その苦労と結果のマズさはなかったことにして、見事、完成した。
 このキット、ずいぶん前に一度、作った。その時の悪い印象があった。その悪印象が、今回の製作誘惑になっている。
眺める。・・・ン~~~~、思ったよりもいい(そんなに思っていないから)。デカール貼りのマズさも、写真ならば分らないだろう、と期待する。
 でも、なんだか胴体の断面形や太さが違いうみたいだし、主翼の断面形も全~~~~然違うみたい(やはり、考えてはいけない)。
 まあ、いいか。完成したしね。そんなに、悪くないな。そんなに、だけど。


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