第二次世界大戦で、アメリカ陸軍航空隊の戦闘機が搭載した液冷エンジンは、国産のアリソンか英国製ロールス・ロイス・マーリンをライセンス生産したパッカード・マーリンです。当初はアメリカにはアリソン・エンジンしかなく、P38、P39、P40、P51、P63は
アリソンで開発されました。途中でパッカードに乗り換えたP40とP51は成功とされますが、アリソンのままのP39とP63は低い評価です。しかしP38はアリソンながら、排気タービンを装備したことで高速かつ上昇能力に優れていました。航続力も長く、中央胴体に武装を集中できたので、重武装の成功作になりました。
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P38の初飛行は1939年1月、陸軍航空隊から「高速で上昇性能が高く、重武装の単座迎撃戦闘機」の開発を要求されたためですが、しかし迎撃戦闘機としては使われず、護衛機や偵察機、地上攻撃機として活躍しました。そんなP38をレストア中の写真を紹介させて頂きます。なおレストアしていた「クラシック・ジェット戦闘機博物館」は、現在は閉館中とのことで残念でなりません。
※ 本稿は「第2次大戦戦闘機」(K・マンソン 著 湯浅謙三 訳
野沢正監修 鶴書房 昭和45年)を参照しました。 |