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陸軍試作高々度戦闘機 立川キ94 (RSモデル1/72)
by
寿
・随分と長い間放置プレイかましていたキットです。
別に忘れていた訳じゃなくって単純にモチベーションが上がらなかったってだけの話。でも机の上で二年の放置はちと長いよね。箱に入れていたのならばまだしも埃まみれでほったらかしだったんですから言い訳のしようがありませんな。
そもそも機体を十の字にまで作っておいて後は塗装だけ、そんな状態のままほっぽいといて二年ってのはどうよ?お陰で層を成した埃やらエアブラシの流れ弾やらを洗い落とすだけでも一苦労だったよ。
でもそんな野ざらしの哀しい日々とはおさらば。ようやくこの不幸なキットも日の目を見ることが出来るという訳です。長いことスマンかったのう。
RSモデルはチェコのメーカーなのですが何故かこのようなマイナーな大戦中の日本機を頻繁に製品化するという奇特なメーカーです。でもこれはRSモデルにかぎった話では無くってここ数年他のメーカーも時折思い出したかのようにぱらぱらと出してきたりしてるよね。何故に東欧のメーカーが日本機、しかも大戦中の機体を?ヨーロッパでは密かに日本機を嗜むのがトレンドなの?確かに昔と違って日本機の資料が翻訳されてそこ此所で発売されてはいるようですがそれだけでは何とも説明のつかない状況であります。
まぁ日本の市場を第一目標にしていることは間違いないんだろうけどねw
まぁ理由は兎も角今までキットにされる事など有り得なかったこんなマイナー機が製品化されるっちゅうのは単純に嬉しいじゃありませんか、楽しいじゃありませんか。ここは素直に喜ぶのが正解でありましょう。何も無い状態からスクラッチとか苦労が半端じゃないっす。
簡易インジェクションのさだめかパーツの精度が今ひとつなのですり合わせや寸法調整は必須だけどまあ愛嬌の類じゃね。めんどくさがらずそこさえキチンと処理しておけばこの日本機らしかぬ特徴的なシルエットが机の上に出現するという次第であります。このキットを設計したときに資料となっているであろう三面図と合わせてもぴたりですよ。
でもその図面は古いバージョンなんで微妙に信憑性が乏しいのですが今回はあえて気にしない。そんな事まで言いだしたらホントに完成しなくなっちゃうしね。工業製品の縮小版ではなくて趣味のプラモなんだからお気楽に作るのが精神衛生上よろしいかと。実機写真の雰囲気も良く出てるしプロポーションも良好だしね。
工作はほぼ完了しているので後は塗装に専念女王。だーっと下塗りしてぷーっと銀色塗ってぺたぺたっとデカール貼ってスタンドに突き刺せばめでたく完成。いやぁ足かけ二年半は確かに長かった。でもまだこの機体は幸せな方だよ。現在進行中の放置プレイ機は数多く中には十年選手の忘れ去られたキットもあるからのう。倒壊注意な積みプラタワーはまだまだ遙かにうずたかいのであります。
とは言えまぁ天に届くほどじゃあないしぼちぼちとやっていこうかな。気の向くままモチベーションの赴くままに。千里の道も一歩から塵も積もればゴミとなるだあね。(なんか間違えちょりますかね?)
まぁ兎も角取り敢えず「今日は完成した機体に乾杯!」であります。
PS:キ94は高々度迎撃機として立川で開発された機体でありますが、よく言われるように当時の日本は排気過給器を作れなかった訳じゃなくって1000馬力未満から2000馬力級のエンジン用に幾種類ものものを結構な数量産していたようです。ただ過給器の艤装に手間取っていて機体として成立出来なかったのだとか。
ちなみにわたしが通っていた学校の教授が戦中このタービンの制作に拘わっていたそうで、こんな小さなタービンを何に使うのか不思議に思って羽根の削り出しをやっていたそうです。当時タービンと言えばまず船舶用で直径メートル越えのブツばかり。そりゃあ作業者が謎に思うのも当然ですわ。
製作の詳細
(写真1)十の字のまま放置してたら翼の接着部分が剥がれてました。どっかぶつけたか、それとも落としたか。しょうがないので再接着。飛行状態でいくので上反角を強めにして接着です。
(写真2) 裏側もチェック!うん、破損や傷はないみたい。
(写真3) グロスのブラックで下塗り。まぁここは筆塗りで充分。
(写真4) パネルラインごとにクレオスの8番でエアブラシ。ギラギラ感はやっぱエアブラシにはかないません。筆でもいけるけどどーしても「分厚い鉄鋼板で作った機体」的なニュアンスになりがちなのでそれを狙うのでなければこっちが常道だよね。日本機は諸外国の機体と比べても特にぺなぺな感があるしぃ。(でもでろでろに汚れた銀色なら逆に筆塗りの方が面白いかも。ソ連機とか・・・・)
(写真5)防眩塗装はつや消しの黒で。おお、引き締まって良い感じじゃ。
(写真6) 敵味方識別帯と防空識別帯をそれぞれ塗って機銃も付ける。防空識別帯はアイボリーホワイトとファウデーションホワイトの混色。主翼前縁の敵味方識別帯は明灰緑色を下地に黄燈色を吹くといういつものパターン。
(写真7) 日の丸は別売りデカール。機首の赤い矢尻マークと尾翼の梅はジャンクデカールにあった1/48F104の自衛隊機から。そいつらを貼ってプロペラ付ければ完成!あっと言う間じゃ。たったこれだけの工程で済むのになんで二年もかかってんのよまったく。
ちなみにプロペラは六翔の試作一号機仕様。量産機では幅広ブレードの四翔ペラにする予定だったようですがあえて六枚羽根に。こっちの方が大戦末期の日本機っぽくていいかな~と。
(写真8)極楽鳥仕様なので当然スタンドに突き刺しております。支持部分は胴体後部の右側面に。真下は微妙に色々なものが出っ張ってるし排気過給タービンを覗き込む人もいるかもだし。(見てくれる人が居ればの話ですが)
でもデカールの色は失敗だったかなぁ。貼った途端なんか異様におもちゃっぽく見えるのはわたしの気のせい?もっと暗い赤にすれば良かった?銀色の機体に赤白だなんてウルトラ目立つ仕様だってのに配色はもちっと気を使わにゃいかんね。機種の赤い矢尻マーク共々暗めの赤でリタッチした方が良かったかも。銀にコレではちょっとケバ過ぎだね、反省。
(写真9) こっちはおまけのキ200。キットはファインモールドの1/48秋水なんだけどそれを転じての機体です。ナナニイのキ94と並べても大きさ的に違和感無いってのがコワイ。キ94はびっくりするくらいの巨人機(あくまで日本機としてはって但し書きが付くけど)だしキ200はこれまた小型で鳴らしたメッサー109よりも小さな機体だしね。(これでも元と為ったMe163より一回り大きいんですけどね)
(写真10) ちなみにこの機体は陸海軍同時に使用する予定で機体も同様なら量産機から機銃も30ミリ機関砲を海軍から供給されてハードウェア的には完全に同等。海軍はJ8M1「秋水」。陸軍はキ200と呼称されたようです。夢の陸海軍統合機ここに為れりって感じですかね。切羽詰まった感ありありですな。
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