Home  > みのり with HONDA 耕耘機 F90 (PLAMAX 1/20) > 特集 バラエティモデル>2019年12月号

特集 バラエティモデル

みのり with HONDA 耕耘機 F90 (PLAMAX 1/20)

by 五六式(TYPE-56)



 今回は,バラエティモデルの特集に合わせて,”みのり with HONDA 耕耘機 F90”を製作しました。特集の趣旨から言えば,耕耘機を作っただけでOKのような気がするし,いざとなったら逃げちゃうこともできるよね。という後ろ向きな姿勢でぼちぼち作って行きました。

<みのりさんについて>

  イラストレーター山下しゅんや氏の手になる農ガール(農業系女子)。ショートカットで,自分のことを”ボク”って言いそうな感じ(個人の感想です )。

<HONDA 耕耘機 F90について>

 1966年に発売されたホンダ初のディーゼル耕耘機。9馬力の479cc空冷2気筒4サイクルディーゼルエンジンを搭載。車重は,ディーゼルエンジン搭載のため,313.5kgとなっている。現行のホンダ製耕耘機に比べて出力,車重ともに2〜3倍である。

当時,定価16万円(ホンダS600が56.3万円、鉛筆も消しゴムもノートも10円の時代だ!)。ホンダは,”耕耘機界のロールス・ロイス”と称していたとか・・・。

<キットについて>

 美少女フィギュアのプラモを買ったら,おまけに同スケールの耕耘機が付いてくると言う(←違うやろ?),一粒で二度おいしいキットです。おさげの女の子に水田耕作仕様のF90が付いた”いなほ with ホンダ耕耘機F90 水田車輪Ver.”も発売されています。



 色プラで,塗装しなくてもパチパチ組んでデカール(スペアも印刷してあって超親切)を貼れば,ある程度見られる完成品が手に入るというものですが・・・。

<製作>

  今回のテーマは,「塗らないで済むところは塗らない」です。アイボリーのパーツ,タイヤのパーツ,肌色のパーツは,基本的に無塗装です。

赤いカウルのパーツは,そのままだと印象が軽すぎるのでタミヤのブライトレッドでスプレーしました。銀色のフレームの部品に一部赤い部分があるのが分かり,後で筆塗りしました。実車は,新車の状態では,赤いカウルのもののみです。かつて,ホンダさんは,乗用車の方で,赤いのを出すときにもめたと言いますが・・・。


 
  仮組みしてみましたが,成形色のままではやや軽い印象がありました。銀色の部分も,3色ぐらいには調子を変えないといけないので,塗装無しというわけにはいかないようです。赤いカウルの部分は,銀色の本体にハンドルのフレームを組んだ後からでもプラスチックの弾性を利用して組み込むことが確認できました。調子に乗ると,パキッと破滅の音がするので慎重に。(ハンドルの左右は,最後に接着します。)

後,この時点で,小さいハンドルを折ってしまって,しかも,無くしていました。仕方がないので後から,伸ばしランナーで再生しました。

タイヤには成形の都合で不自然な段差があります。13ヶ所×4パーツで52ヶ所,暇を見つけてカリコリ成形します・・・涙・・・。手を動かしていけば,いつかは完成するし見栄えも良くなります。左右の区別があるのでホイールへの組み込みの際には,注意が必要です。

タイヤの塗装は,どうしようか迷ったのですが,先述の作業の後、仕上げに600番の耐水ペーパーをかけていたら,すごくタイヤの色らしくなったので無塗装でいくことにしました。部品の継ぎ目もあまり分からないし,本物のタイヤだってパーティングラインがあるのだからよいではないか,よいではないか,あ〜れ〜ご無体な・・・。

アイボリーのパーツは良い感じなので部分塗装;のみでそのまま使います。
部品の接合はタイトなので,塗装後組み上げるような場合は、極力塗膜が薄くなるよう気をつけます。


カウルの縁を薄くしました。


「”八つ墓村”?」と言う人と,「無様ね。」と言う人と,何か分からない人とで世代が分かってしまいます。

ジーンズは,どう再現しようかと迷いましたが,タミヤアクリルのロイヤルブルーを秘伝のタレ塗装法で塗った後,トップコートで艶を消したら,なんとかそれらしくなりました。

 上半身は,差し替え,頭部は,はめ込み,と思っていたら,ゆるゆるでした。割り切って好きなスタイルの方で接着したり,磁石を仕込んだりした人もいるようですが,両面テープを挟むことにより簡単に組み替えが可能です。

衣服と肌の継ぎ目や髪の継ぎ目は,部品をほんの少しだけ削り合わせることでほぼ目立たなくすることができます。

瞳のデカールは視線が3種類で4セットずつ用意されています。顔のモールドに合わせて張るのが結構難しいし,微妙に位置が動くだけで顔が変わってしまいます。凹凸に馴染ませようと焦ってマークソフターを使うと千切れてしまうので,位置が決まったら,ある程度デカールが乾くまで待ってからマークソフターを使うと良いでしょう。ごく薄く希釈したタミヤのアクリルの赤で唇とほおに紅をさしています。やり過ぎてピッチになってしまわないよう注意しました。

説明図の作例の顔は,デカールを使わずに手書きしたもののようです。プロの人が技巧を凝らして塗装しても山下しゅんや氏のイラスト通りにはならないので,オレ流で仕上げて良いと思います。

なお,麦茶は,クリアーオレンジ*+スモーク+溶剤で再現できます。

<完成>



当時、本田技研には,耕耘機設計の部署はなく,バイク担当の人たちが設計したそうです。スタイリングをよくするためだけにわざわざカウルをしつらえたとか・・・。

車重313.5kg。現行のホンダCB1100よりも人間1人分くらい重いぞ!!


なんとなくバイクのようなシルエット


この上半身だと重心が前に寄っているのでF90がないと自立しません。



ハンドルを持たせるのは難しかった・・・。

※PLAMAXのブログに実物の写真が載っているので,これから作る人にとって,参考になると思います。


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