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> デ・ハヴィランド シーヴィクセンFAW2(サイバーホビー1/72)> 特集 蛇の目>2020年1月号
デ・ハヴィランド シーヴィクセンFAW2
(サイバーホビー1/72)
by小川登至也
模型ファンの仲間の皆様、あけましておめでとうございます。
「ツインテールに眼帯」、アニメやゲームのキャラクターのファンの方には結構強力なアイテムと言えるのではないですかね?
それにしても、、、
前輪に、もやもやっとしたものが…。
あれは、引っ付き虫と呼ばれる臨時粘着材ではないか…。
、、、そうなんです、おもりが足りなかった…。
新年早々、いささかわびしい姿になってしまいました…。
今回制作したのはサイバーホビー1/72 デ・ハヴィランド シーヴィクセンFAW2です。
買ったときは、1/72のレトロジェットのキットが3000円かあ、うーん、高いなあ…
と思ったのですが、10年の時空を超えていざ組み立ててみると、
1/72には思えないほどの細分化されたパーツ、それでいて合いはカッチリ、
またスライド金型をこれでもかと使った精緻なモールド、
主翼の、しかもフラップまで展張/折り畳みが選択できる、
エルロンやラダーは別パーツ、
クリアーパーツの透明度もかなりのもの、
とどめはカルトグラフ製デカールが2シートも入っているという
なんとも豪華絢爛なキットで、これで3000円なら仕方ないかと思わせるものがあります。
10年前といえば、日本、韓国、中国のキットが内容も値段もグンと上がっていった時期だとおもわれ、その潮流のハシリのキットの一つと言えるかもしれません。
高いから良いのか、良いから高いのか、もっとプラモが安くてお手軽で、足りないところはモデラーが手を入れるのが当たり前という時代を過ごした人間にとっては、昨今のニューキットの出来は目を見張る素晴らしさの反面、ボーナスが出たときにやっと一つ買えるか買えないかくらいの値段は、「僕らのホビー」とはおいそれと呼べなくなってしまった寂しさも感じます。
まあ、それはともかく、このキット、製品としてのクオリティは上記のとおりですが、一番のすばらしさは、実機を忠実に、いや、実機よりもさらにかっこいいプロポーションを持っていること。
小生ごとき未熟者が組み立ててもこのプロポーションが間違いなく再現されます。
ウェブモデラーズに投稿されるような他の皆さんなら間違いなくもっとかっこよく組み立てられること請け合い、値段はともかく内容は文句なし、素晴らしいキットだと思います。
ちょっとキットに作らされてる気がしなくもなかったですが・・・。
さて、しかし実機は、冒頭に述べたツインテールに眼帯です。
ツインテールの伸びやかなプロポーションは美しいと言えるでしょうが、
このコクピット配置・・・、コクピット部分を組み立ててみると、パイロットとWSO席の間にはがっしりと、コミュニケーションを完全遮断するバルクヘッドがオッ立っています。
WSO席は脱出がほぼ不可能、サイドbyサイドの配置の利点を完全に殺してまで何がしたかったのか理解に苦しみます。これなら同時代のグロスタージャヴェリンのように素直にタンデム配置にする気はなかったのでしょうか。
また、名門デ・ハヴィランドの最期を象徴するかのような、背面のNoStepを示す赤い四角にバッテンの乱れ書き・・・。
当時でさえ6~7Gを超える機動を求められていたはずの戦闘機の背面の多くが、人間が乗っただけでダメージを追ってしまうようなヤワな構造で、本当に大丈夫だったんでしょうか?
小生、名門デ・ハヴィランドの迷走の末の断末魔の象徴のように感じられて、この偏執的なNoStepエリアの乱れ書きは大幅に省略してしまいました。
同時期の同社製旅客機コメットがニムロッドとして最近まで細々と飛んでいたのがデ・ハヴィランドの末路で、あとはカナダのボンバルディアに引き継がれたとはいえ、第一次大戦から名機を生み続けた同社のDNAが実質立たれてしまったのは寂しい限りです。
それだけに、デ・ハヴィランドの最後の戦闘機の雄姿を忠実に再現した名キットと出会えてよかったと思いました。
さて、昨年も読者として、投稿者としてお世話になりましたが、本年もできる限り投稿してまいりたいと思っております。
ウェブモデラーズ関係各位には、ご自愛いただきながらも、本年もわれわれ読者の目を楽しませてくださいませ。よろしくお願い申し上げます。
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