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誌上個展

<スター・ウォーズの世界 Vol.8>

by Windy Wing 2013

 前回に引き続き全地上用歩行兵器とその関連装備をご紹介いたします。

<バンダイ ビークルモデル&エフトイズ 1/144
 タイ・AT-TEキャリアー”アクーパラ”>



 オーダー66の発令により優勢となった帝国軍が反乱軍から多数の遺棄兵器を接収し、これを分析開発した経緯については前述の通りであるが、その中で全地上用戦術攻撃兵器AT-TEの回収に特化した輸送機がタイ・AT-TEキャリアー”アクーパラ”である。
本機はタイ・アドバンストx1のソーラーパネル取付角を可動化することによりエネルギー変換効率の向上を図った可変翼増加試作機を基に一機のみが製造された。



 公表資料に従えば、ツイン・イオン・エンジン系のソーラーパネルは重力子を含むゲージ粒子のみならずヒッグス粒子までもがその動力源として起電できるよう設計されているため、恒星からの自然光・偏光に対するその仰角は本来大きな意味を持たない。これは恒星系外縁や惑星夜間帯でもその運用に何ら制限のない本航空機群の特性からも明らかであるが、にもかかわらずそのパネル取付角を入射光に自律直交させようとした兵器開発部の企図は、司令官乗機に対する精度追求のあまりとは言え、いかにも無益であり、本原型機もその重量加増に見合う効果が得られずに軍工廠に廃棄されていた機体である。


<バンダイ ビークルモデル&エフトイズ 1/144
 タイ・ATキャリアー”ノア”&”アクーパラ”>



 なお、全記録映像を通じて注目すべきは、銀河大戦において使用された兵器類には原則として現代地球語に翻訳可能な一般名詞を用いてコードが附則されている点である。これは遙か昔の宇宙の果ての物語である以上、この銀河闘争史は現地球史とは同一線上にない、という前提に裏付けられた当然の世界観であって、「スノー」や「スカウト」、あるいは「ウォーカー」などの時代場所を問わない事物が兵器の名称として表れることはあっても、「リー」や「グラント」、あるいは「ジューコフ」はかの歴史に存在しない以上、彼らの名が車輌の愛称として使用される道理はない。


<バンダイ ビークルモデル&エフトイズ 1/144 
アクーパラ・サルベージ>



 しかるに、このクローン大戦前後の一時期のみではあるが、今回紹介した「アクーパラ」、タイ・AT-ATキャリアー「ノア」、そしてHAVw/A6ターボ・タンク「ジャガーノート」など、地球史の、特に神話系の固有名詞を冠した兵器を見るについては、かの銀河星系と太陽系第三惑星との歴史的連続性において、中でも意図的なパンスペルミア説を検討するにおいて、これらの名称の存在は細心の注意をもって考証されるべき事象であると考えられる。


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