ボーイング720は、707最初の量産型-120の全長44.04mを41.69mに短縮した短・中距離路線用の旅客機です。ボーイング社が1957年7月に発表した3種類の707の展開バージョンの中で、中距離用途とされた707-020が、同年11月に720と改称されました。最初の発注はユナイテッド航空からで、初飛行は1959年11月23日、翌年7月に同エアラインに引き渡されました。707との違いは胴体の短縮だけではなく、主翼の後退角がやや強くなり、前縁フラップが設置されています。四発ジェットエンジン機のため、三発の727よりも経済性が悪く、154機の生産に終わりました。 |
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このため720の展示機は世界でも4機で、何とアメリカにはありません。カナダ、パキスタン、コロンビア、そして台湾となっています。台湾の720は中華民国総統専用機という希少なVIP機でもありましたので、ご紹介します。
この機体は1971年12月5日にノースウエスト航空から購入され、1991年9月27日まで中華民国空軍によって運用され、306回の飛行を行ったと、博物館の掲示にありました。
※本稿は「旅客機」(K・マンソン 著 湯浅謙三 訳 野澤正 監修 鶴書房 昭和46年2月)と博物館の掲示、Wikipediaを参照しました。
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