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(Photo)MC.202 フォルゴーレ

by  コルディッツ
博物館実機写真

 第二次世界大戦におけるイタリア空軍最良の戦闘機は、マッキ・カストルディ 202だと断言できます。確かに「5系列」の高性能は著名ですが、デビューは1943年の休戦寸前と遅く、少数生産です。
一方、M.C.202の初飛行は1940年8月10日とバトル・オブ・ブリテンの最中、実戦デビューは1941年11月で真珠湾攻撃寸前と、時期的に間に合った戦闘機です。最大速度600km/h、運動性能も高く、生産数は1,500機とも1.300機とも言われています。イタリア空軍の最多生産の戦闘機は時代錯誤のフィアットCR.42の1,817機なので、これに次ぐM.C.202こそ真の主力戦闘機でした。
しかし機首に12.7mm機関銃2挺のみという軽武装の弱点があり、途中から主翼に7.7mm
機関銃2挺を追加して、強化を図りましたが、重武装の米英機には対抗仕切れませんでした。
 現存機は2機で、スミソニアンとローマ郊外のイタリア軍事史航空博物館に展示されています。生誕80周年を祝して、イタリア展示の機体を紹介させていただきます。
※本稿は「第二次世界大戦戦闘機」(K・マンソン著 湯銭謙三訳 野沢正監修 鶴書房 昭和45年7月)と英文Wikipediaを参照しました。



  Macchi M.C.200 Saetta MM5311/369-1
 イタリア軍事史航空博物館(Vigna di Valle)にて 2017年12月撮影
 M.C.202の母体。軽武装でしたが、運動性の高い戦闘機
として緒戦の主力でした。エンジンはフィアット製A74RC
38星型空冷14気筒で840馬力と低出力のため、設計者の
カストルディは1,000馬力級の液冷エンジンに換装して、
性能向上を図った成果がM.C.202でした。


 Macchi M.C.202 Folgore MM9667/73-7
 イタリア軍事史航空博物館(Vigna di Valle)にて 2017年12月撮影
 カストルディはサエッタの主翼や尾翼はほぼそのままに、
胴体を再設計して、ドイツから輸入のダイムラー・ベンツ
DB601 A1(1,175馬力)を搭載する機体にまとめました。
同エンジンをイタリアのアルファロメオがライセンス生産
したRA1000RC41モンソーネを、量産型は搭載します。




 第二次世界大戦終了後も生産され、練習機として運用、
エジプトにも輸出されたので、現存機はまだあるような気がします。




 F.Baraccaは第一次世界大戦のイタリアのエース。
 第4航空団はその名前を付けていました。
 なお展示機のエンジンカウルのパネルは、M.C.205の物とのことです。






 同時期のBf109Fのエアインテークと比べると、イタリア機は、何て芸術的なんだろうと感嘆しました。




 右主翼は左主翼より20cm短くなっていますが、もちろん
見ても分かりませんでした(笑)。


 量産型のキャノピー後方は、凹ませて処理しています。





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