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特集 レベルモノグラム 

(Photo)認知機能のバロメーター・・・
P-39 (レベル 1/72)

by  コルディッツ

 昨年の暮れ、いよいよ終活を始めようと思い立ち、約45年かけて貯め込んだ「積みプラ」の成仏プロジェクトをスタートしました。
実はこれまで、老眼が進み、長年のアルコール摂取による手の震えから、プラモ工作技術の劣化に気づきながらも、願望のプラモ完成度を上げるという矛盾に苦しみ、結果として「積みプラ」を増やして来ました。そこで今回は願望の完成度を下げる方向に転向したのです!  

具体的には初めてプラカラー塗装して愉快だった小学4年生の頃にGet Backして、当時と同じ様な塗料や道具だけを使い、当時の私が願望した完成度を目標にしました。これは内需拡大には貢献しませんが、私的にはお財布に優しいのと、現在の水準では手を出すのが辛い、年代物のプラモ工作の敷居を低くするメリットがあります。まぁ麻雀に例えるなら四暗刻狙いを止め、食いタンに走ったという所でしょうか。
 かくしてレベル・ファイターシリーズのベルP39Qに、30年ぶりの挑戦となった訳ですが…


 完成品。フラップの所に「1982」と製造年が刻まれていました。
 記憶はないのですが、30年以上前の購入直後に「士」の字まで
組み上げました。そして胴体と主翼の隙間にパテ盛りし削り、何故
か(床に落とした?)胴体と主翼が分離状態になったまま、30年間
積みプラしていたキットを再工作したものです。



工作は中部フィンランド空軍博物館で拝観した、レストアされた
P39Qにインスパイアされました。アンテナ柱が折れていたのも、
ソ連機仕立てにするのを後押ししました。  


Bell P39Q Airacobra 26         2003年8月撮影
 中部フィンランド空軍博物館(ティッカコスキ)にて
 現在この機体はツースラ対空兵器博物館に展示されています。
 同博物館は未見ですが、ヘルシンキにより近くなりました。



 今回のプラモ工作で、プラモデルは認知機能の低下を測定する
バロメーターになりそうな気がしました。認知機能の低下により、
段取りが悪くなり、調理の手順を間違えたりするのは、ご承知と
思いますが、プラモも同様でした! 壮健だった頃はランナーに
ぶら下がるパーツを見ただけで、どのパーツと組み合わせ、どこに
付けるか、自然に分かったのに、今は組立説明書を再三再四読み直
しても、分かりません。組立説明書見るから、却って分からなく
なるという声も聞きますが…





パーツをなくす、塗装色を取り違えるは日常茶飯事で、さらに
一端完成させてOD色塗装後に、床に落として胴体と主翼が分離
する修羅場がありました。この時主脚が折れたので、小学4年生
では出来ないピンバイスと真鍮線で補強するという違法工作まで
して、やっと完成させたら、何と錘を入れるのを忘れていました!
まさか自身で認知機能の低下を晒す羽目になるとは…無念!
 ちなみに「落とした」のは過失で故意ではありません。また
エンジンを銀塗装したのは故意で、小学4年生の頃は銀と考えて
いた郷愁です。



国籍マークや数字は40年以上に入手したESCIデカールを利用。
凡そ半分は劣化して使い物になりませんでした。
 主翼下のガンパックは付けませんでした。ソ連での使用は機首
の武装(37mmか20mm×1と12.7mm×2)だけのが多いようで、
これはソ連空軍がP39に地上攻撃ではなく、空戦を任務に当てて
いた証左かと思います。



実機写真を見直してみたら、胴体下にループアンテナが設置され
ているのを見落としていました。ジャンクパーツで取り付けるのは
小学4年生でもしていたので、積みプラのエレールでやってみようか
と思いました。以上食いタン、もとい食いピン工作の報告です。



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