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ミニジェット機シリーズでソ連機を作る (タミヤ 1/100)
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五六式(TYPE-56)
今回は,ミニジェット機シリーズのソ連機をまとめて製作しました。うまくいけば,4機分在庫がはけるので,何としても完成させねば・・・。
<実機について>
●MIG-15
ドイツの試作戦闘機Ta-158の技術を用いて,初めて実戦に投入された後退翼を装備したジェット戦闘機。朝鮮戦争では,その高速性能で連合軍の直線翼のジェット戦闘機を圧倒した。高速飛行中にスピンに陥るという欠陥を持っていた(後継機MIG-17で改善された。)が,飛行制限を設けて運用された。
●MIG-19
ソ連初の実用超音速戦闘機。当初は,迎撃戦闘機として運用されていたが,Su-9の実用化に伴って制空戦闘機として使われることになった。後継機であるMIG-21より速度やレーダーの能力で劣るものの,運動性や上昇力に優れ,現在でも派生型が運用されている。
●MIG-21
これまでに1万機以上が生産されたマッハ2級のジェット戦闘機で,三角翼の主翼に後退翼の尾翼を装備している。アビオニクスの改良により,全天候迎撃能力の獲得,地上攻撃能力の追加と進化を続け,最新型では,多用途戦闘機として運用されている。
●Iℓ—28
イリユーシン設計局(イリューシンは間違いだそうな)が開発した直線翼ジェット軽爆撃機。高度な技術を用いて設計されていないので,技術流失の恐れがなく,安価で取り扱いが容易な手頃な機体として二十数カ国に供与,もしくは輸出されている。
<キットについて>
●MIG-15
今回組んだ中で一番新しいキット。セイバーと組んでスタンドに取り付けることが優先されているようで,このシリーズには珍しくパイロットの部品が付いています。地上姿勢にすると前脚部に差し障りが・・・。
●MIG-19
記念すべきシリーズ第1作,かなり力が入った設計で,きちんと完成できれば,できばえは現行キット最強だと思います。胴体左右部品の接合に問題がありましたが,現在は,改善されています。
改修ポイントは,ジェット排気口の付け根の隙間とミサイルのフィンにある押し出しピンの跡。
●MIG-21
プロポーションになんとなく違和感があるのですが,気のせいかも・・・。
主翼の付け根の先端が欠けていました・・・。燃料タンクは,うまく調整して組まないと歪んでしまいます。
●Iℓ-28
何も考えずに組むとあちこちに段差や隙間ができます。金型の傷みのためなのか,元々そうなのかはよく分からないのですが,主翼上面表面が荒れています。主翼下面より上面の方がモールドが浅いので少し彫り込んでやらなければなりません。
このキットもきちんと完成できれば,できばえは現行キット最強だと思います。
<製作>
●MIG-15
機首先端の部品に釣り用のおもり1個で釣り合いが取れました。
筒抜けになっている胴体(コクピットから光が入ってきます。)には詰め物をしてやらねばなりません。今回は,新しい技術で問題を解決しました。奥さんが捨てていた黒い靴下をもらい受けて,一度洗濯してから,適当な大きさにカットして,ロールケーキのように巻き,胴体に仕込んでいます。布地の弾力により,どのような断面にもフィットして塞ぐことができます。この技術でIℓ--28のエンジンポッドも処理しました。
前脚庫をキットの指定通りに組み込むと,前脚庫の底が機体表面より外側にはみ出してしまいます。これを改修して奥に組み込めるようにすると,前脚の長さが足りなくなってしまうので目をつむりました。前脚扉の形が違っているのでゼリー状瞬間接着剤を盛って削り出して成形しています。
燃料タンクは,国籍マークを貼ってから取り付けます。
●MIG-19
コクピット後端と背部の膨らみとがつながりません。胴体左右を接着する前に背中の膨らみを削って調整すると簡単に修正できます。
ミニジェット版では,胴体左右のダボがずれていて盛大に隙間があきます。ミニジェット版を組み立てる際にはダボを切り落としてしまうか,受け手の穴を広げるかしないと、後で修正が大変です。コンバットプレーン版では,金型改修があったのか,何もしなくてもきれいに接着できました。いっそのこと,発売当初に修正してくれていたなら,どれほどのモデラーが助かったことか・・・。
エグゾーストと胴体の間に隙間ができます。エグゾーストの部品の接着面を斜めに削って調整してやると,比較的簡単に修正できます。後でこの隙間を埋めるのは,悪手です。
胴体のあちこちにヒケがあるのと,ミサイルに押し出しピンの跡があるのとが気になります。パテを使って表面をならしておく必要があります。
●MIG-21
仮組みのときにエグゾーストを覗くと,スリット状に隙間がありました。これは、胴体右側の部品のこの部分が一段低く成形されているためです。何のためにわざわざこんなことをするのか,全くタミヤさんの意図が分かりません。ここは,タミヤさんに責任を取ってもらう意味も込めて,タミヤさんのプラ板0.3mm厚を貼って,隙間を埋めてやりました。
コクピット後方の膨らみに四角い出っ張りがあります。五六式は,ランナー跡かと思って削ってしまいましたが,この出っ張りは実機にもあります。ただし,キットの表現は,やや大げさで,寸法的には,キットのままより背が低く,幅も狭いようです。
キットの説明書には,機首におもりを入れるように書いてありますが,おもり無しでも釣り合いが取れます。
主翼の付け根が欠けていたので主翼を胴体に接着した後,ゼリー状瞬間接着剤を欠けたところに置き,固まった後,削り出して修復しました。
前脚の収納部の部品はサイズが合わない(幅が狭い)ので2枚のカバーの部分と前脚の付け根の一部に3分割して組み込みました。
●Iℓ--28
エンジンポッドは,筒抜けになるので仕切りか詰め物が必要です。
爆弾倉を閉じるのは,少々やっかいです。
1 爆弾倉を閉じます。扉の部品の精度は良いので隙間もできず,手間いらずです。
2 仮組みと調整をくり返し,爆弾倉の扉の面と胴体の底面がスムースにつながるよう爆弾倉と胴体の継ぎ手になる部分を削って位置決めをします。
3 胴体に爆弾倉を取り付けると爆弾倉の前方と胴体との隙間は目立ちませんが,左右と後方には盛大に隙間があきます。爆弾倉の扉を開けるのなら,左右の隙間は隠れますが,閉じると嫌に目立ちます。
左右の隙間は,胴体部品のたわみと爆弾倉を差し込みやすくするための遊びによってできたものです。先に爆弾倉を胴体の左右どちらかと瞬間接着剤や流し込み接着剤でがっちり接着して(このとき,もう一方の胴体との面のつながりを調整しつつ接着します。),爆弾倉が固定されたら,もう片方を指でがっしり押さえつけて隙間を塞ぎながら接着します。このやり方だと,パテ無しで左右の隙間は消せます。
4 爆弾倉後方の隙間は,0.3mm厚のプラ板を差し込んで接着し,1〜2日置いてから成形します。後で,必要なら,爆弾倉の周囲に筋彫りを入れてやれば爆弾倉の取り付けは終わりです。
主翼周りに隙間がたくさんできます。エンジンポッドとの接合部も同様です。
翼端のタンクは,着脱可と説明書に書いてありますが,何回も着脱するうちに塗料が剥がれてしまう恐れがあるので,付けるか外すかいずれかに決めた方が良いでしょう。
垂直尾翼の継ぎ目にできる隙間は,胴体左右部品の接合の際に手で垂直尾翼をたわめることによって狭めることができます。
<完成>
●MIG-15
樽のように太い胴体にこれまた太い遠心式ターボジェットエンジンが搭載されています。
デカールは,製作に失敗したMIG-19のものから2セット流用しました。本当は,星のマークに白と赤の枠があります。機番は,ズベズダ(ドラゴン)のキットの箱にあったものです。流用したデカールの中に733という機番があったので書き文字をせずに済みました。
一番外側の脚カバーの付け根は,薄く削ってやらないと主脚と干渉して,取り付けられません。。
●MIG-19
アルカリミサイル4発を携行して精悍な印象です。
後退角の強いいかにも速そうな印象の主翼です。
●MIG-21
ちょっとコクピット周りが大きすぎるように感じるのですが・・・。(個人の感想です。)
この角度から観ると,MIG-21らしさを強く感じます。
●Iℓ—28
やや下から撮ると,実物を見る感じに近くなります。
古さを感じさせる直線翼の機体です。
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