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特集 ハセガワの航空機プラモデル

温故知新シリーズ第46弾

RA-5C ビジランティ(ハセガワ1/72)

  by ヒサマロ



 どうもヒサマロです。今回の温故知新シリーズはハセガワのRA-5C ビジランティを取り上げさせていただきます。多分1969年ごろに発売されたと記憶しております。発売されてすぐに作った記憶がございますのでもうかれこれ50年以上経っての再挑戦になります。偵察型ビジランティは70年代にはエアフィックスからも発売され、今世紀に入ってからはトランぺッタ―が発売してくれましたね。 他にも韓国メーカーが凹みモールドにしたハセガワのコピー商品を販売しており、一時レベルからも販売されていたような記憶がございます。とても美しいシルエットしている機体ですのでファンも多いと思うのですが現在ではどのキットもなかなか入手しずらくなっているようですね。



 それでは製作していきましょう。今回私が使用したキットは発売当初のもので成形色は白となっております。全体に繊細過ぎる凸モールドになっているのでほんの少しのペーパー掛けであっさりと消えてしまうと思われますが、 今回はこれを1966年ごろに試験的に導入された迷彩塗装にする予定ですので消えたモールドの再生はしないこととしました。相変わらずの手抜き製作で行くこととします。在庫まだ抱えているのでガルグレーの機体を作るときは筋彫りする予定です。



 まずはお約束のコクピットからですが、この時代のキットですからシートとパイロット以外は床板があるだけです。シートと床板はダークガルグレーに塗って他は全て黒く塗っておしまいとします。後席は全く見えませんでしたので省略すれば良かったです。機首に錘を仕込んだら左右の胴体を接着しますが、段差が生じますのでヤスリがけして平面にしておきます。 胴体背部と本体の接合部も段差と隙間が生じますのでパテ処理後ペーパー掛けしておきます。インティークに可変ランプを接着した後に胴体に接着する際もインティーク上部より胴体背部がかなり出っ張るのでここも思い切りごしごしと削り倒します。



 水平尾翼は可動式になっていますがあまり意味がないので固定し、別部品になっている胴体後部下面、上面、排気口部分を接着します。これらも思い切り段差が生じますのでパテ処理後やはり削り倒します。垂直尾翼は接合部の削り合わせをしておき塗装後に接着することとします。 主翼は内翼下面部分を上翼に接着する形となっていますが削り合わせをしっかりとしないとうまく収まりませんでした。またパイロンを片側に二つずつ取り付けるよう指定していますがビジランティは実戦でドロップタンクを下げて作戦している写真は見たことが無いので取付穴ごとふさいでおきます。



 たまにハセガワのキットは主翼の平面形が間違っているとの記述が見受けられるのですが、ハセガワの名誉のために言っておきますがキット化された時点ではこれで正解なのです。ベトナム戦での損耗が激しくなり機数が足りなくなったので急遽再生産されることが決定した際に新型のエンジン搭載や色々改修される部分があり、 その内の一つが主翼の前縁が伸びてインティークまで届くようになったことやインティークリップが曲面から直線に変更になったことなどが挙げられます。したがって1969年に再生産されたシリアルナンバー156608以降の機体はこれらの特徴を有していることになりますので自分の作る機体のシリアルナンバーによって作り分けが必要になります。ちなみにトランぺッタ―のキットはこの後期型になっています。



 主翼と胴体の接合部にも隙間が生じますので溶きパテで処理しておきます。キットでは全ての脚カバーがオープンの状態で組むように指定されていますが実機写真では閉じている事の方が多いので前脚・主脚とも前部カバーはクローズにしました。 きっちりと閉るよう削り合わせとパテ処理でなんとかごまかしました。偵察機器が収納されているカヌー型部分に透明部品を接着した後に胴体本体へ接着しますがやはり少々隙間が生じますのでここも溶きパテ処理します。



 これで基本形は出来上がったので塗装に入ります。いつものように筆塗りで仕上げました。今回の機体は厚木基地に隣接している日本飛行機で塗装がなされたことで有名なシリアルナンバー150834、モデックス604にしました。下面はホワイトですのでモールドが白なのは大助かりです。レドーム下面はレドームタンで上面はジャーマングレーで塗ります。上面の三色はいろいろな説がありますが、私はダークグリーン、フィールドグリーン、タンという説を採用いたしました。 したがってグンゼの309番、340番、310番を使用。ただ310番のタンにはイエローを加えて明度を上げたものを使用しました。肝心の迷彩パターンなんですがこの機体の写真は上面を写したものはあるのですが側面はどれも右側の物しかありません。今回は航空ファンイラストレイト「ベトナム航空戦」の塗装図を参照させてもらいました。各色の境には両方の色を混色したものを薄く溶いたものでなぞりボカシを入れています。



 ファイバーグラス部分は黒く塗ってあるようですので垂直尾翼上部と翼前縁付け根部分をジャーマングレーで塗りました。最後にダークイエローを色がつくかつかないか程度に薄めたものでドライブラシ風に上面をかすらせた後にタミヤのスミ入れブラックで軽くウォッシングしました。 翼前縁を黒鉄色で塗って、脚カバーの縁は油性サインペンで赤く塗りました。



デカールは最近入手したCTAモデルのWelcome to the Jungle !を使用しました。しかし塗装図などは写真を参照したところあまり正確ではなかったので前述の図書を参照した次第です。 デカールの質はとても良く、ビジランティ以外にもファントム、イントルーダー、スカイホーク、スカイレイダー等が含まれているので製作意欲が湧いてきます。フラップに貼る白のモデックスは大きすぎますがそのままとしました。最後に半艶のトップコートを吹き付けて脚関係、ジェットノズル、ECMアンテナ、ライト、ピトー管等を接着して完成です。



 とにかく削り合わせが多くて大変でしたが出来上がった形はまぎれもなくビジランティそのものです。迷彩をまとったビジランティはガルグレーの美しい姿とはまた違ったすごみがありますね。 さて今年完成したのは全て米海軍機ばかりになりましたね。それではまた。


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