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ドントレス (ホーク 1/72)
by
加藤 寛之
ホーク社の大変に古いキットで、その昔、私が100円のキットしか買えなかったころには、すでにこの世にあった。持っていたとは記憶になかったのでテスターのブランドになったキットも買ってあり、それも棚の上にある。
箱絵は銀色の機体で、その塗装で作った。あとで分ったのだが、どうやら陸軍のA-24仕様らしい。なぜ気付かなかったのかといえば、キットが超カンタンな構成のためで、組図を全く見ないで組んで塗って完成させたことが原因。この記事を書くので組図を開いたら、陸軍のA-24仕様は銀、と小さな文字で書いてあった。
箱を開けて、ビックリ!主翼ができている!よく見ると、1枚モノの主翼パーツだった。そのせいか、主翼の厚みが全然足りない。と、いうことは、主翼フィレットの形とかが絶対に大雑把なはず。下面の脚庫は印があるだけで凹んでいない。コックピットはお人形さんを接着する細い横板2枚だけ。後ろ席の機銃もやたらと大きくてテキトウ。風防部品は後席を開放状態にしてあるが、スパッと切っただけで、後席風防を収納しているようには見えない。プロペラや脚柱もモヤっとしている。
“ウ~~~ン・・・これは作りやすそうだ”。
エンジンパーツは不思議なものだった。1枚板状のものを前からカウリングに突っ込むのだ。これは怪しい、と直感して仮組みすると、おっとビックリ、エンジンとカウリング前端がほぼ同じ位置になってしまう。これはマズイので、ストッパーをやや後ろに作り直しておく。
爆弾は当たると痛そうなので、私は模型に装着しないのが普通。そこで、主翼下面にある接着用の突起を切り落としておく。そのほか、大雑把に各パーツを整形しておく。
これで準備完了、組めばよい。
まず胴体左右パーツを接着。主翼を接着し、水平尾翼を接着する。これらが固まったら、多少ある段差をガリガリ削り、それでも残った段差にパテを薄く塗って、固まったら整形する。胴体下面の、爆弾を挟むアームのパーツが行方不明になっていたので、ランナーを熱で伸ばした棒でそれっぽく作っておいた。全然違ってしまったが、下面で見えないのでどうでもいい。
次は塗装。
箱絵は銀色のドントレスなので、箱絵を資料に塗る。赤い帯類や主翼にあるステップはテキトウに筆塗り。塗ってみたら、数十年前の子供用のブリキの飛行機おもちゃみたいで面白い。そこで汚しやメリハリ塗装は軽くするだけでヤメて、安っぽさを残した。
デカールは劣化で割れていたので、その辺りにある余りもので代替した。
最後に、真鍮線を切っただけのピトー管を左翼端に装着。
・・・ということで完成。・・・で、記事を書き始めたら、この銀塗装は陸軍のA-24仕様だと分ったことは冒頭に書いた通り。それなら、着艦フックは要らないし、尾輪がちょっと大きいんじゃないの・・・と、思ったりしたが、手遅れ。まあイイや。
さて、感想。出来てみたら、ホークらしいガッシリとした造形だ。実機の形をよく咀嚼して構成しなおしたドントレスになっている。実物の72スケールモデルでなく、「ホークのドントレス」になっているのだ。最近のキットにはみられなくなった造形力だといえる。
個性的で、これはいい! 組み立てはあっと言う間に進むし、形といい、パーツの少なさといい、いかにも初期のプラモデル。前述のように、このキットはもう1個持っている。買っておいてよかった。
追記:以前にアオシマのドントレスを作ったときに、個性的な力感表現に驚いたことがある。どうやら、このキットを参考にしたように思う。印象が似ているのだ。プラモデルをいっぱい作ると、こんなことも感じてくる。
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