Home  > NORTHROP T-38A TALON (FOXONE 1/144) > 特集 アメリカ現用空軍機>2020年6月号

特集 アメリカ現用空軍機

NORTHROP T-38A TALON (FOXONE 1/144)

by 五六式(TYPE-56)

 今回は,”アメリカ現用空軍機”の特集に合わせて,ノースロップT-38Aタロンを製作しました。


<実機について>

 アメリカの1950年代の軽量戦闘機計画に応じてノースロップ社が開発したN-156(後のF-5)の復座型から派生した超音速練習機。高性能と故障率の低さ,操縦の容易さを併せ持った機体としてアメリカ空軍をはじめ,西ドイツ空軍(アメリカ本土の空軍基地で運用),台湾空軍(同)などで採用(復座戦闘機として使用できるF-5Bは,更に多くの国で採用されている。)されている他,先代のサンダーバーズの使用機として,また,NASAやボーイング社などで訓練機やチェイス機としても運用されている。

<キットについて>

 2017年に,FOXONEから3Dプリンターで出力されたキットがリリースされました。国産キットとしては,1967年のハセガワの1/72,フジミの1/50以来,50年ぶりのの新キットではないじゃろか?



 キットは,全16パーツです。そのうち,3パーツは,飛行姿勢用の脚収容部のカバーのパーツなので実質13パーツです。



 これまでのT-38の国産キットは,実質F-5Bで,ジェットインテークは,F-5Bのまま放置,主翼のストレーキは,切り取って整形せよというものでしたが,本キットは,1/144スケールながらさすがに21世紀の製品,きちんと違いが再現されています。

※FOXONEさんは,初期のレジンキットも順次3Dプリンターで出力されたキットとして再リリースしていくとのことです。

<製作>

 普通のプラモと違って細いランナーが立体的に構成されています。部品のチェックがし辛いので注意が必要です。

 パーツの表面に,出力のサポート材であるワックスがついているので,最初に熱湯につけて油分を除いた後(茹ですぎるとパーツが変形する恐れがあります。データが不十分なので何分まで大丈夫という具合に保証できません。)に,中性洗剤で洗浄しておきます。これで,やっと製作に取りかかれます。



 パーツ数は少なく,部品のフィットもよいのですが,パーツがデジタル出力なので曲面や斜面は細かいぎざぎざの段差(小学生のときに作った地形図の模型みたいな感じ)があります。この段差を,ひたすらカッターをかんなのように使ってなめらかにしました。樹脂がある程度の堅さを持っているので乱暴に作業をしない限り,元の形を損ねたり筋彫りを消したりすることはありません。段差はなかなか消えず,かんながけとサーフェイサーがけを4回繰り返した部位もありました。仕上げは,400番と600番の耐水サンドペーパーで行いました。



 塗装をしてから組み込む部品は,塗膜の厚みではまり難くなることがあるので調整が必要です。

キャノピーの透明部品は,慎重に切り出して微調整すればフィットしますが,たわんだりひびが入ったりし易いので注意が必要です。

ピトー管はあっけなく折れたので金属線で置き換えました。そのピトー管の縞模様は,実機写真を見ると,1/144ではとても手書きで再現できるようなものではなかったので,なかったことにしました。(1/48なら,頑張ってみるかな・・・。)



 コクピット内は,胴体ごと一発で成形されています。ここは,適当に塗り分けただけ。エッチングパーツがてんこ盛りの最近のキットなら,数日から一週間以上を費やすところをちょちょいのちょいで作業終了です。

キットの塗装指定は,分かりにくいし,細部の塗装指定も全くないので同時代のアメリカ空軍機のキットの組み立て説明図やFOXONEさんのサイトの完成品ギャラリーの写真などを参考にして塗装しました。今回製作した機体は,U-2なんかと同じ部隊なので全面つや消し黒みたいですが,敢えて半つや消し黒で仕上げました。

デカールは,一つのシートにアルプスのプリンターで印刷したと思われるものです。自分で一つ一つ切り離して貼っていかねばなりません。細かいステンシルも印刷されていますが,扱いに困るような小さなサイズの物でも1/144だとややオーバースケール気味に感じられたので適当に省略しました。(水に浸すとすぐにスライドできるようになるので手早く貼らないと糊が弱くなってしまいます。)

<完成>



 ちょっと粗く見えますが,1/144スケールなのでご容赦を。実寸は,モニターに映る大きさの半分くらいです。キャノピーは磨いたりクリアがけしたりしたけれど,観る角度によっては曇って見えます。要研究です。



 高等練習機として使われるT-38は,真っ白ですが,本機は,真っ黒に塗られています。第9偵察航空団第1飛行隊所属の機体でRQ-4やU-2やSR-71(すでに退役)の同僚です。マーキングが赤いのは,隊長機だけで他の機体のマーキングは,白だそうです。



 姉妹機のF-5Bよりエアブレーキが小さいです。中央にぶら下げている謎のポッドの正体は何じゃろ?



 この角度から見ると,エリアルールを取り入れた胴体や背中の美しいラインが堪能できます。


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