川添史郎『モデラーズカラー』(モデルアート社、昭和47年)p.92 にある、「銀鼡色」の説明を紹介したい(部分)。
「普通の銀色に、やや黒味かかった色調で、明るいところでは反射光線のかげんで白っぽく見える、暗いところでは反射がなくなり、黒っぽく見える、という面倒な色調である」「日本でも、陸・海軍でこれを用い当時の制式カラーであり、95式戦まではいずれもこれを使用していた。その後、金属機時代に入り、明灰白色が使用されることになったものである。」
|
|
『同』p.90にはこうある(誤植は訂正)。
「1937年から40年にかけて、陸軍では95式戦闘機が主力であったが、胴体は金属、主・尾翼には布張りで、全面にそれまでの銀鼡色から、明灰白色を使用することになった。」
つまり、95式戦闘機は灰色で91式戦闘機はそうでない、ということだ。この川添氏の記述と掲載絵葉書の色はよくあうが、それは記述にあった絵葉書を選んだからだともいえる。91式戦闘機の人工着色絵葉書は明るい灰色が多く、明るい灰色で色再現としては当時から通用したともいえる。だから、模型的には明るい灰色でもいいのだろう(私はまだ、迷っているのだ)。 |