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特集 レッドスター

懐かしのB級キット(第18回)

 ベル P63 A キングコブラ (アオシマ 1/72)

by口博通 Hiromichi Taguchi




  玩具から始まったプラモデルが ギミック路線か、それとも 全く動かないけれども精密なモデルの方向に行くか メーカーによって多様性に溢れていたのが 1960年台でした。
 当時から、精密というには?がつくけれども ギミックが面白いプラモデルを日本メーカーが多く発売していました。エルロン、方向舵可動は当たり前、というか それが当たり前のトレンドの時代だったともいえます。
 学校前の文具店でプラモデルが売られていることも多く、箱絵が魅力的でショーウインドーに釘付けになり、学校帰りに店の前の道路で座り込んで、プラモを作った経験のある読者も多いはず。小学生の遊びの一部として当たり前にプラモデルがあり、今からは想像も出来ないプラモ黄金時代だったと思います。
 
 金型精度が追いつかず、可動部がガタガタで、細かいディテールは?が二つくらいつくが、デッサンはなんとなく実機の雰囲気を再現しているという今でも捨てがたいキットが多くありました。既に絶版になっているものが多いのですが、幸い、その中には今でも生き残って現役のプラモキットもあります。

 このシリーズは そんな 懐かしいB級キットを取り上げて行こうという連載です。形状とか デイテールを求めるならば、後発の決定版を購入すればいいわけで、ディテールの修正などをせず、オリジナルの雰囲気を壊さず、完成を目指したいと思います。

 
 

箱絵


 2018年2月号以来 久しぶりの今回の「懐かしのB級キット」で、登場するのは アオシマの1/72ベルP-63キングコブラ戦闘機です。
昭和30年代初出の1/72シリーズの一機ですが、文具店のウインドーで見た時は アオシマのプラモデルだとすぐ判るそのド派手で怪しい箱絵にびっくりしました。 
ナイアガラの滝?をバックに、ブルーの機体にオレンジの増タン、赤のスピンナ、エアインテークがイエローと実機とはかけ離れた目立つことを重視した塗装に見えます。1980年代復刻版の箱絵もオリジナルの怪しい雰囲気を嬉しくも受け継いでくれています。古いアオシマの雰囲気に思いを馳せ、ご一緒にお楽しみいただければ幸いです。

復刻版箱絵


 さてさてキットの内容ですが、部品点数23点、エルロンが可動,操縦席ドアが開閉選択式というプラモデル黎明期としては、おとなしいものでした。 外形については、当時の航空情報プラモガイドの評では厳しい評価でした。しかし、キングコブラは1970年代までは他メーカーからは発売されておらず、貴重なキットでしたから、辛抱して作ったモデラーも多かったのではないでしょうか。
 今回、完成してみると、なんとかP-63に見えますね、という程度というフォルムです。
 米陸軍機ではありますが、ソビエトへ2000機以上が引き渡されたこともあり、他キットの余りデカールを使ってレッドスターにしてみました。
上面はMrカラーNo.136ロシアングリーン2戦車色、下面はライトグレーNo.332を吹き付け、Mrウエザリングカラーグランドブラウンで ウォッシングしました。



 主翼と尾翼は後縁をしっかりと薄く削ってあります。スピンナーは丸すぎ短すぎが目立つので、プラ板を継ぎ足して、イメージ重視で先端を尖らせましたが、ちょっと長過ぎたようです。ドアの窓ガラスをプラ板で追加し、機関砲、機銃類はしんちゅうパイプで、アンテナ柱もしんちゅう線で置きかえました。
これで、正確とはいえなくとも雰囲気だけでも なんとかP63らしくなったでしょうか。
 もう1キット持っていますので、次は箱絵のブルー塗装にしたいと思っています。
また B級コレクションに一機加わりました。おつきあいいただき ありがとうございました。








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