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特集 タミヤMM

  BT-42 ガールズ&パンツァー劇場版 継続高校仕様 (タミヤ 1/35)

  by 寿



 あのガルパンBT-42です。劇場版が公開されると同時に店頭在庫が一瞬にして失せアマゾンでも仰天のプレミアム価格が提示されたことも記憶に新しい伝説のキットでもあります。まぁタミヤが「ガルパンなんて意識してないぜ」的な顔はしつつもその実ナマナマしいまでの商品展開をしてみせて実は大好きなんぢゃないのっていうのは周知の事実でありますが、それでも此所までBT-42が売れるとは予想だにしてなかったでしょう。



 とはいえTVシリーズが公開された直後にも同じくしてⅣ号D型の店頭在庫が消え失せてますから「ひょっとして」的な期待はあったかも。P40(戦車の方だ)やクルセイダー(当然MkⅢ)などのイタレリOEM品もしっかり追加販売しちゃってるしw



 今ではその熱も冷めて普通の流通状態に戻りましたがそれでも当時は「何故にソコまでBT42が」と唖然としたものです。ふつーだったら絶対にそんな人気出ないよねこんなドマイナーな魔改造戦車。



 その一方で「分かる分かる」と納得してしまうのもやっぱりちゅうかなんちゅうか。劇場版を一度でも見てしまったらもう手遅れですわ。辛抱タマランって感じで。タミヤも狙ってやったのだとしたら大したものです。



 いやね、もうあの大立ち回りは反則ですよ。めちゃくちゃかっちょええ。車長の女の子(ミカだね)がカンテレでフィンランド民謡サッキヤルヴェンポルッカを奏でながらというけれん味たっぷりの演出。二回りは格上の重戦車パーシングを単機で三両葬るという胸すく展開。スピード感抜群アドレナリンは吹き上がり爽快感言うこと無しの継続無双。中盤における最大の見せ場と言っても過言ではありますまい。



 って言うかこの劇場版そのものが見せ場だらけで「あのアニメはマッドマックス~怒りのデスロード~だった」と謎のコメントを戴いたくらいですからねぇ。主人公の乗機であるⅣ号よりもこちらの方が好きって人の方が多いんじゃないかしら。ひょっとするとなんだけど。



 ともあれ現在最終章の二話目が終わって現在第三話を待っている状態なんですがまだしばらくガルパン祭りは続きそうです。いやぁ熱そうだなぁ~あちこち色んな意味でねw

製作の詳細

(写真1)ガルパンのお陰で一念発起、ひっさびさに作ってみることにしましたよ戦車を。タミヤのミリタリーミニチュアなんて何年ぶりだろ。えーとえーとざっくり数えても30年は作ってない計算に・・・・ええぇ~っ、さんじゅーねん!なんて遙かな大昔。当時生まれた子が親になって子供にプラモ買ってやっていてもおかしくない年月だよ。なんてこったい気が付かない内にこんな遠くにまで来てたなんて。
 しかしこのホワイトパッケージは変わらないなぁ~なんかほっとする。まさに「タミヤ」って感じだぁね。

(写真2) ちなみにキットはタミヤ謹製なれど作るのはコレ。参考資料は大日本絵画の「アハトゥンク・ガールズ&パンツァー2」であります。1も買おうかどうしようか悩んだけれど2で充分と自己完結した。劇場版までならこれで無問題ですよ。思いの他に資料性も高いしね。(でも最終章版が出たらどうしよう)





(写真3) 「継続BT作るのなら三人娘は外せんでしょう」ってことでモデルカステン謹製の「だいたい1/35フィギュア」をストック庫から引っ張り出すことに。戦車と並べるとアニメの絵的に設定の身長より一回り大きくなっちゃうようで、まぁこの辺りは「そんなもんだ」と割り切るのが吉のようです。


(写真4) レジンキットなので離型剤の洗浄は不可欠。ガイアノーツのレジンウォッシュは量も多いし使い心地も割とイイ感じでお気に入りです。


(写真5) 買ったは良いけど使いどころの無かったこの色を使うのはいま!


(写真6) ミッコの肌部分で試し塗り。ふーむこんな色合いかぁやっぱ下塗り専用にした方が良いみたい。アニメキャラの肌は随分と白いからね。


(写真7) ミッコはドライバーなのでドライバーズシートが指定席。だもんで乗せる方向に。キットは後ろまでずず抜けなのでプラ板で仕切っとく。車内色は白っぽいグレイだけど黒で塗って粗隠し。車内の再現なんかやってられっかーってことで。



(写真8) 試しにミカを立たせてみたけれど何か違和感ハンパじゃないね。デカいよ、特に頭が。進撃の巨人を思い出したつったら言い過ぎか?ディズ○ーランドの着ぐるみさんとかと一脈通じてる気がする。アニメの中じゃ何も不具合無いんだけどなぁ。(ちなみにアニメでは設定身長どおりに描くと小さくなりすぎて遠景でのキャラの見分けが付きづらくなるからわざと大きめに描いているんだとか)
 展示会などで見た時にはさほどおかしく見えなかったから塗った色合いで印象が変わるのかもしんない。あるいは縮尺に拘らずキャラものと完全に割り切った方がいいのかも。
 と、此所までは良かったんだけどねぇ・・・・・


(写真9) エッチングパーツの同梱どころかそれを加工するパーツまで入っている至れり尽くせりのキットであります。昨今ではちらほら見聞きする気配りだけど実際に自分で作って見るとその威力に戦くばかり。「なんて作りやすいんだ」そして「なんて精度高いんだろう」30年分のウラシマ効果は予想を遙かに超える衝撃なのであります。(ウラシマ云々の使いどころを間違っちゃいるけどね)



(写真10) 今日びのAFVモデラーは全部組み立ててから塗るってのがトレンドのようなので不詳わたくしめも真似してみました。転輪もアイドラーやドライブもポリキャップで後ハメ可だから履帯くっつけた後に取り外して別塗りすることに。なるほどこいつは便利、親切設計じゃね。影になる部分にフラットブラックでシャドー吹いときます。
 しかしエアブラシはいいよね。吹き込めば塗りたいところが粗方塗れちゃうし。以前は筆しかなかったからぼかしも一苦労だったし下塗りだけでも数日かかるのが当たり前だったからなぁ。万年金欠の学生にピースコンなんぞ高嶺の花憧れの存在でありましたからむしろ躍起になり「筆塗りでエアブラシなみの塗りをやったる」と粋がって戦車塗りまくってた記憶があります。
 そう思うとこの四半世紀ぶり(実際はそれ以上)に作るミリタリーミニチュアってのも感慨深い話だよ。人生で一番最初に色塗って作ったのはタミヤの88ミリだったからなぁ。


(写真11) ベースカラーのダークグレーを一気にぶーっと吹いとく。この後ライトグレーでマダラ冬期迷彩(でいいんだよね?)を塗っていきます。


(写真12) ボディの方も順調なので足回りも、ってことで塗料庫の奧から出て来たのがモデルカステンの履帯色。乗せるフィギュアもそうなら車体に貼り付けるデカールも同社製。おまえいったいいくら貰ったなどと穿った物言いをしてはならぬ。買いたい物を買い使いたい物を使って何が悪い。興味のあるものに飛びついてこそのモデラー。好奇心と我欲を無くした人生に潤いなど巡っては来ぬわ。
 ちゅうことで気になってたし少し前に買ったのよ。相も変わらず量が多いのがアレだけどね。


(写真13) :発売はモデルカステンだけど作ってるのはガイアノーツ。同社のカラーはまったりというかねっとりというか「濃い」タイプの色なんで常に小分けにして希釈するのがベター。だもんで塗料皿の出番です。とりあえず試しにちょびっと塗ってみる。

(写真14) どーにも伸びが悪いわ。この頃は暑いというか熱いのでやたら塗料の乾きが早いのよ。その割りには湿気も高いし塗装には不向きな季節じゃね。しゃーないのでリターダーを二三滴垂らして乾燥を遅らせます。やりすぎると今度はカブっちゃうのでほどほどに。


(写真15) 履帯塗って転輪塗って白っぽいグレイで迷彩吹いたら細部塗装に突入。排気管はツヤ消しブラックから上澄みの溶剤と定着剤をスポイトで抜き取った通称「かさかさブラック」を使用。ものの見事にマットなブラックなんだけど定着剤を抜いたお陰で剥がれやすいのが難点ですわ。ベースカラーを塗ってしっかり食いつかせておけば気にする程ではないんですけどね。


(写真16) 細部を塗ってラバーブラックでスミ入れしてデカール貼ったら出来上がり。いきなりだなオイなんて言わない。これでも足かけ一ヶ月かかっとるのよ。でもいきなりってとこに驚いているのは作った本人だったりして。同じ工程でもヒコーキより1.5倍くらいの早さで仕上がったような気がする。ほぼ汚しがないってこともあるけれど戦車ってこんなにさくさく出来上がるようなもんだったかなぁ。それともこれがタミヤの製品老舗の貫禄、長年にわたって積み上げられ昇華されたミリタリーミニチュアの実力というヤツなんでございましょうかね。大したもんじゃのう。
 久し振りだったんでもっと手こずるかと思ってたけどそんなことも無くて一安心。お試しだった履帯色も思ってた以上にしっくり馴染んでくれて結構満足いい感じ。確かにコイツは悪くないわ。
 そんな訳でまたかっちょええ完成品を作ってしまった。満足至極でございます。クセになりそうじゃね。AFVモデラーに返り咲くのも悪くないかもしんない。さて次は何を作・・・・え、ちょっと待て?何か忘れてないかと。
 はて~何のことでございましょうか。


(写真17)申し訳ございません、諸般の事情により三人娘は出来ませんでした。まるまる二週間停滞していたお陰でBT42作るのが精一杯。取り敢えずミッコが乗れるように車体上部は脱着可能としており、正面のドライバーズハッチも裏側から仮止めしているだけです。
 出来上がり次第また投稿したいと思いますのでそれまで暫しのご猶予をお願い致します~

 しかし裏を返せば二週間で出来上がったということでこれもまた昨今のタミヤMMシリーズがいかに作りやすく出来の良いキットであるのかということを世間に知らしめたということでもありモデラーの製作意欲をかき立てるための一助として少なからぬ喧伝を果たしその役割は決して弾劾されるような類ではなくむしろ(以下略)


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