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特集 CARモデル

1/32スケールでスズキの軽自動車を再現する+1
(スズキ フロンテ 1968 MICRO ACE 1/32)
(スズキ ハスラー 2014 アオシマ ザ・スナップキット 1/32)
(スズキ ジムニー 2019 アオシマ ザ・スナップキット 1/32)
(ニッサン スカイライン アオシマ ザ・スナップキット1/32)

by 五六式(TYPE-56)



 ”CAR モデル”の特集に合わせて,1/32スケールでいろいろ製作してみました。CAR モデルの主流は,1/24スケールですが,旧LSの旧車やAIRFIXの英国車群に加え,近年では,トラックやバスのキットを 1/32スケールで展開していたアオシマからザ・スナップキット(楽プラ)のシリーズがリリースされ,1/32スケールでも様々な自動車を揃えることが出来るようになってきました。

 今回は,スズキの初期の軽自動車と現行の軽自動車を並べるとともに,それらと対比させるための普通車を用意するという企画です。ほとんどがアオシマさんの”楽プラ(raku-pla=EASY CONSTRACTION PLASTIC KIT)”だし,在庫も5つはけてHAPPY,HAPPY♪という予定でしたが・・・。

<実車について>


  スズキ フロンテ 2代目 1967〜1970
 全長 29995mm
 エンジン 2サイクル空冷直列2気筒 21PS/5,500rpm
 駆動方式 RR


  スズキ ハスラー 初代 2014〜2019
 全長 3395mm
 エンジン 水冷直列3気筒DOHC 52PS/6,000rpm (ターボ仕様もあり)
 駆動方式 FF/AWD


  スズキ ジムニー 4代目 2018〜
 全長 3395mm
 エンジン 水冷直列3気筒DOHC 64PS/6,000rpm (ターボ搭載)
 駆動方式 AWD


  ニッサン スカイライン 3代目 GT-R 1968〜1972
 全長 4430mm
 エンジン 水冷直列6気筒DOHC 160[155]PS/7,000rpm
 駆動方式 FR

<キットについて>

・フロンテ
 旧LSの1/32スケールのカーモデルを引き継いだARIIがシリーズの充実のために新金型で1995年にリリースしたキット。


 初めからゼンマイユニット無しで設計されているため,足回りの部品構成や再現度が旧シリーズと異なっている。


  五六式みたいなじいさんには懐かしいデカールが付属しているが,肝心のスズキのエンブレムなどは,一切入っていない・・・汗・・・。

・ザ・スナップキット アオシマ
 本稿で採り上げているスズキ ハスラー(初版2017)を第1作として,接着不用・塗装不用で素組みなら30分程度で完成するキットを目指して開発されたシリーズ。カーモデルで頭痛の種になっているボディのグロス塗装や細かい塗り分けを実車の色に近づけたプラスチックで成形し,よく出来た箔シールを添付することで実現させている。


  窓のモールもエンブレムもオーバーフェンダーの塗り分けも全て箔シールで再現。


 シャーシは真っ平ら。ここまで割り切られると,これを修正してどうこうしようという気が失せてしまう。 

 現在では,ニッサンGTRやトヨタ86などの現行車種に,日産スカイライン(3代目)やトヨタ2000GTなどの旧車も加えて10車種がリリースされている。 

<製作>

・フロンテ
 組み立てで難しいところはなく,普通に組んでボディの段差や継ぎ目を地道に消していけば完成します。フェンダーミラーが分厚いのをサンディングして薄くしてやったくらいです。


 後に控えている同シリーズのスバル360やN360などと色がかぶらないようにするためホディカラーを黄色にしたら,なかなか発色しないし,埃が落ちたところをリカバリーするのも大変だしで黄色にするという自分の決断を呪いました。
 しかも,気をつけていてもすぐに汚れてしまうのです。マスキングして汚れたところだけをスプレー塗装したのですが,後から,汚れたところにコンパウンドで磨きをかけてやればきれいになると思いつきました。後の祭りです。  


ナンバープレートに”FRONTE”のロゴ。私にどうしろというのでしょうか?
名前ペンでモールドをそっとなぞることで解決しました。


  ・ザ・スナップキット
 スカイライン以外は,ボディの色は,キットの成形色のままです。キットの企画通りに接着不用・塗装不用で素組みなら30分程度で完成ということにしようとしましたが,下記の点だけは我慢できずに手を入れ,泥沼にはまりこみました。なお,シートの裏側が凹んでいますが,じっくりのぞき込まない限りよく分からないし,修正すると完成から遠ざかってしまうので手を加えていません。

 ① タイヤとホイールは,成形色のままではあまりにも実感に欠けています。また,タイヤの裏側には,ヒケを防止するために盛大に肉抜き穴が空いています。


 未処理のホイールと加工済みのホイール

 肉抜き穴をパテで埋めて成形後,タミヤのラバーブラックのスプレーを吹き付けて,ホイールの部分を筆塗りとスプレー併用で塗り分けました。ハスラーのホイールだけは,塗り分けが面倒なのでキット付属のシールを貼り付けています。 

② バンパーや窓枠,窓の黒枠などは,塗り分けしないでもよいようにシールが付属していますが,実感優先でマスキングしてつや消し黒を吹き付けました。ジムニーは,黒いところが別部品になっているので楽勝でした。ハスラーのバンパーの銀色の部分は,シールの銀色のところだけを切り抜いて貼っています。この部分は,手持ちの塗料に色調や艶が似た色がなかったのでシールで対応できてラッキーでした。


 窓の塗装では,シールを使わずにシールの余白をマスキングテープの代わりにしました。ジムニーのリアウィンドウの黒枠は,左右非対称なのでマスクをリアウィンドウの裏側に貼ると左右が逆になってしまいます。そこで,左右が正しくなるようにマスクを切り貼りして調整しています。シールの糊が強すぎて塗装後,窓に糊が残り除去するのに手こずりました。面倒でもマスキングシートに形をトレースしてやる方がよかったと思います。

③ ジムニーの屋根の黒い部品やスカイラインのボディの銀色の部品には,成形のときに出来た色むらがあります。初心者や一見さん(ichigensan=あるお店に何らの面識なく初めて訪れた人。多くの場合,来店は一度きり。 )なら放置してもよいのでしょうが,五六式には,耐えられません。これらの部品は,缶スプレーで塗装しておきました。スカイラインの実車の銀色は少し灰色が混じっている感じなのですが,まあまあ近い色としてタミヤのTS76マイカーシルバーを選びました。また,オーバーフェンダーの部分には,キット付属のシールを貼りました。

④ ハスラーの屋根の塗り分けは,シールが用意されていますが, 塗装した方がよい結果が出ると思います。しかし,実車でもシールを貼っているようだし,”楽プラ”の趣旨に従って完成させるのも意義があると思ったので敢えてシールを貼りました。

⑤ ドアミラーはミラーの部分に箔シールを貼る構成になっています。シールを貼る面に肉抜き穴が空いているのでシールを圧着させると穴の模様が浮き出てきます。


そっとシールを貼って放置しておくという手もありますが,肉抜き穴を地道に埋めて行く方法をとりました。

<完成>


 
 スズキのディーラーに,旧車が2台,車検のためにやって来た,みたいな感じになりました。車のキットは完成すると占有する体積が小さくなるので収納が楽です。

 質感重視なら,ボディを全塗装することが望ましいのですが,ハスラーやジムニーは,塗装だと色の再現性や艶で負ける気がして,素直にキットの成形色を活かすことにしました。


・スズキ フロンテ


 今回,実車について調べていて驚きました。このモデルで2代目だったんですね。(初代だと思い込んでいました。)現在,そこいら中を走り回っている”スズキの軽”のご先祖様です。


 ボディの発色に手こずり,塗料でスリットを表現する溝が浅くなってしまったため,墨入れがきれいに決まりませんでした・・・汗・・・。
だめもとでサクラのミリペンPIGMA01で墨を入れると少し改善されました。(写真は,改善後)

・スズキ ハスラー


 ご近所に実車があったので非常に参考になりました。


 でも,スズキ ハスラーって,オフロードバイクだったんじゃないの?本郷猛も乗っていたぞ!!


・スズキ ジムニー


 ザ・スナップキットの規格と非常に相性のよい車です。しんどいのはホイールの処理と窓のマスキングだけ。ボディを全塗装しても比較的簡単に完成してしまうでしょう。


うっかりキットを2個買ってしまっていました・・・汗・・・。


  ・ニッサン スカイライン


 五六式的には,GT-Rっていうのは,現行のアレでもなく,お豆腐屋さんの息子と対決したアレでもなく,ケンメリの希少車でもなく,まさにこの箱スカだと言いたい!


 旧車のなかでも比較的よく見かける車です。でも,気づいたときには,テールを拝むだけ。


 新旧軽自動車の比較です。
 初代ホンダ・シティがトールボーイスタイルの道を開いてくれたので軽自動車の居住性が大幅に向上しました。


 現行の軽自動車と旧車の普通車の比較です。
 スカイラインが見下ろされちゃうのですね。


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Vol.148  2020 December.     www.webmodelers.com /Office webmodelers all right reserved /
                    editor Hiromichi Taguchi 田口博通 /無断転載を禁ず/リンクフリー
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