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特集 モノグラム48

ホーカーハリケーンMk.2C (モノグラム 1/48)

 by  田口博通 Hiromichi Taguchi



 モノグラムの48ハリケーンの初出は1960年代後半だったかと思います。入手していたのは1976年に国内版として廉価でリリースされたバンダイーモノグラム版です。
今回のモノグラム48特集に合わせて、20mm機関砲4門が強そうなMk.2C侵攻機仕様で完成させました。


キットについて

 このモノグラムのハリケーンはスタイルは良いとされているものの、主脚引き込みのギミック付ですが、コクピットにはシートも床も無しで、バックレストにパイロットを直接接着。計器板はデカールを台紙ごと切り取って貼り付るのみ という1960年代後半のモノグラム48の標準的な構成です。
 50年後の現代から見るとなんとも素朴なプラモデルだったと感じられますが、私の記憶では1970年代にかけて48ハリケーンではモノグラムが唯一のキットだったと思います。 



胴体
主翼

尾翼
プロペラ、脚など

 後年リリースされたハセガワ48,エアフィックス48に比べると 脚収納庫のモールドも無く、前照灯もモールドのみ、翼後縁も厚いなど、いくつかの欠点が目につきます。

 70年代~80年代にはモデルアートの読み過ぎで「プラモデルは正確でなければならない」頭でっかち病に凝り固まってしまった筆者には、作ろうとは思いつつ 箱を開けては眺めて仕舞う音頭を繰り返していた敷居が高いキットでした。実の所、つい最近まで 後年リリースのキット達とレベルを揃えた完成度で製作しようとでもしたら、とんでもない苦労ありと考え込んで 手がつけれませんでした。「オリジナルキットの味を生かして、ストレートで作れば良いのだ」とさとりの境地に達した先人様がおっしゃっても、まだまだ煩悩の抜けない身にはなかなかそうは割り切れないものです。結局 手を付けれないまま、押入れの底で永遠の眠りにおつきになる、、、おそらく、同じような思いの経験をされているご同輩もいらっしゃるのではないでしょうか。

で、結論ですが、最近 モノグラムの48Me109とハリケーンのコンボキット(これも当然絶版)を入手したので、一安心して? とりあえずストレートに組んでみることに致しました。(ハイ結局 押入れ在庫の数は減らないじゃないかって、、、)

製作と塗装

 このモノグラムのキットはMk.2B、Mk.2C、Mk.2D、Mk.4 のコンバーチブルキットになっており、まず最初にどの型を作るか決めなければなりません。
 Don Greer画伯のハリケーンMk.2Aの表紙の絵も素晴らしいインアクションNo.72の写真と塗装図を眺めながら、あれやこれやと思いをめぐらせました。インアクションは良い写真が多く、しばし引き込まれます。このコロナの状況下で巣篭りを強いられている一時の楽しみでもありました。ネットでも探すとコンボセットのデカールにもなっているJX-E復元機の鮮明なカラー写真がみつかり、結局、20mm機関砲4門が強そうなMk.2C侵攻機塗装JX-E としました。 



 さて製作です。
 胴体右側にスピンナー取り付け用のベアリング板と、コクピットのバックプレート(シートが無い)を取り付け、胴体左右を接着します。
 古いキットゆえ胴体が若干反っていましたが、現代では速乾性流し込み接着剤(MrセメントSなど)なる救世主がありまして、機首から接着剤を流し込んだ箇所を手でしっかり押さえながら乾燥させ、また次の箇所に流し込みと、尾部まで同じ作業を続ければ、少しくらい反った胴体もなんなく隙間なく接着できます。
 主翼も脚柱をセットして同様に上下接着します。

 胴体に主翼と尾翼を接着すれば あっというまに形になります。胴体主翼付け根には若干隙間ができるので、パテで埋め、しっかり乾燥後、全体を整形していきます。主翼と尾翼の後縁は外側からやすりでガリガリと薄く削りました。



 塗装は、Mk.2Cの侵攻迷彩としました。
下面に黒つやけしを吹いてマスキングテープでしっかりとマスキングします。
上面は雲形迷彩なので、先にオーシャングレー(同363)を全面に吹いてマスキング(画材店で売っている12.5cm幅の弱粘着透明マスキングシートが非常に楽なので主に使っています。)して、ダークグリーン(Mrカラー361)を吹いています。2色の境界はダークグリーンを細吹きし、若干ぼかしました。
その後、胴体バンドをスカイ(同368),主翼警戒イエローを艶消し黄色で筆塗り塗装し、塗装は完了です。


完成

 Mrウエザリングカラー グランドブラウンで全体をウォッシングしました。モールドは凸リベット、凸ラインなので適度にブラウンが残ります。
デカールですが、幸運にも2機コンボキットに入っていたデカール(JX-E)がまだ生きており使えました。貼り付けには、最近、タミヤから「軟化剤入りデカールのり」が発売されているので、さっそく使ってみましたが、なかなかの使用感でした。
主翼つけねのつやけし黒のフットエリアにはハセガワトライツールの「つやけし黒フィニュッシュ」を貼ってから所定の大きさにカットしています。
最後にデカール保護を兼ねて全体につやけしクリアを吹いて、艶の調子を整えます。



 コクピットは付属のパイロットを塗装して入れたら シートも床もありませんが、それが目立たなくなりました。(なるほどなるほど さすが モノグラム)
 照準器だけ プラ棒と透明プラ板を組み合わせて追加しましたが、こちらは残念ながらキャノピーに隠れ目立ちません。
機首上の非常用照準棒は0.3mm金属線で追加。(無いと目立ちます。)
 さて、気になっていた主翼前照灯ですが、製作段階では紫外線硬化透明レジンで自作なんて欲張って考えてはいたのですが、しっかりと忘れてしまい、「ミラーフィニッシュ」を貼り解決?としました。(書き忘れましたが、翼端灯は削って紫外線硬化透明レジンで自作してあります。)
 
 完成して眺めると ちょこまかした追加工作は不要だったようで、モノグラムらしいおおらかな味が醸し出されているような気がいたします。






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