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特集 メッサーシュミット

AVIA CS-92 (AIRFIX 1/72)

by 五六式(TYPE-56)



<はじめに>
 特集“メッサーシュミット”に合わせてAVIA CS-92を作りました。

 赤箱以降のAIRFIXの新金型キットは,より精密な表現と作りやすさを両立させた素晴らしいものですが,こと,ドイツの大戦機のキットについては・・・,鉤十字のデカールが付いていない・・・涙・・・。ハーケンクロイツはだめという考えは理解できますし,五六式とて反ナチの立場ですが,かつてあったものは無かったことにできないし,また,敵なるものの姿を忘れてはいけない,とも思うのです。

 ・・・でも,AVIA CS-92なら,Me262Bなのに鉤十字いらないんじゃね?  

<実機について>


 第二次大戦中,チェコでは,ドイツからの命令でBf109やMe262などを生産していた。大戦後しばらく,チェコの航空機製造会社AVIA社は,Bf109をS-99,Me262をS-92として再生産した。CS-92は,S-92の復座型につけられた呼称である。

   その頃のジェット機の進化は凄まじく,1948年にチェコスロバキア空軍に最初のS-92が引き渡されて後,僅か3年後の1951年に,MiG-15のライセンス生産が決定,同年にS-92とCS-92の退役が決定した。

<MESSERSCHMITTについて>
   MESSERは,小刀やナイフで,手術に使うメスもこれ。 
 SCHMITTは,鍛冶職人で,英語のSMITHと同義。
 MESSERSCHMITTとは,刃物職人の家系であることを示している。

<キットについて>


  部品の精度は,概ね良好ですが,多少,仮組みと接着面の調整が必要なところがありました。とは言え,組み立て説明図も分かりやすいし,総合的には,組み易いキットであると言えるでしょう。デカールも貼りやすくて◎です。

<製作>

  ・オプションを除いて整理してみました。飛行状態の脚庫のカバーは,塗装作業の際,マスキングに使えるので捨ててはいけませんョ。

 ・エンジンポッドと主翼の接続部は,すりあわせが必要でした。エアフィックスのキットは,プラスチックが柔らかいので比較的楽に工作できました。

  ・コクピットの外郭は,上下分割となっています。部品同士が干渉しているところ(部品E09)があるので仮組みして削り合わせる必要があります。また,練習機なら,後席にも操縦桿があるはずですが,キットには部品がありません。気になる方は,自作するか他のキットからもらってくるかして操縦桿を追加してください(後席の計器盤が邪魔をして取りつけにくいので五六式は,すっぱり諦めました。)。

  ・主翼端のピトー管は,あっさり折れました。プラスチックが柔らかいことに加え,ピトー管が端っこにあり,てこの原理で大きな力がかかりやすいのでいつかは折れると思っていました。このピトー管を接着し直しても,そのうち簡単に折れるであろうことは目に見えているので真鍮パイプ(WAVEの直径0.5mmのもの)とギター弦(エレキの1弦用008)で作ったものに置き換えました。
 他にもアンテナ柱やループアンテナがありますが,これらは,垂直尾翼やエンジンポッドで保護されているので,プラスチックのままでもまず大丈夫でしょう。(ループアンテナがいつの間にか消えてしまったので金属線で作り直しました。無くなったのが自作できる部品で良かった・・・汗・・・。)


 ・機首上面のモールドは,部品の合わせ目を処理したときに不明瞭になったので,適当なサイズのランナーを輪切りにして貼り付け,ヤスリで厚さを調整して凸モールドを作り復活させました(秘技モノグラム)。凸モールドはイヤだという方は,貼り付けたランナーの輪切りをゲージにして凹モールドを罫書き,貼り付けたランナーの輪切りを削り取ってやると良いでしょう(秘技モノグラム改)。

 ・計器盤のデカールは,キャノピーを接着する直前でも貼り込めます。ただし,モールドの凹凸には追従しにくいので一部は塗装で代替し,残りはいくつかに切り分けるなどの工夫が必要です。一部のデカールは,すぐ剥がれたので木工ボンドで貼り直しました。

 ・実機写真を見ると,30mm砲口は,カバーで覆われていました。機体のモールドをマスキングテープで養生してプラパテを使って砲口を埋めました。

 ・脚カバーのはめ合わせがタイトで,塗装をするとそのままではまず組みこめません。接着する直前にも,仮組みをすることをおすすめします。脚柱のステーの組み込みも同様です。また,タイヤとホイールと脚柱の組み込みもタイトです。ここは,接着剤を使わなくても組めるので便利と言えば便利ですね。


 ・機体の色は,ハンブロールのマットスレートグレイが指定されていますが,実機写真を見ると,もう少し明るくて緑っぽいような気がしました。試しに似たような色をいくつか並べて比較し,タミヤのアクリルXF-71が一番近いようだと判断しました。

 ・風防は,3分割されています。閉じた状態にすると,塗膜の厚みの分,寸法が合わなくなります。ここも,接着直前に仮組みをしておくことをおすすめします。

<完成>


CS92の生産は,僅か3機にとどまりました。


 主脚庫からカプセル状の乗員室の外郭が見えます。タイヤは,自重変形を再現しています。


 現在でもT-38等に使われているJ-85エンジンを搭載したレプリカ機が,メッサーシュミット社の承認を受けてアメリカで生産されているそうです。


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