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再販キット紹介

三菱 MU-2J ’飛行点検隊’w/牽引車(ハセガワ 1/72)

 by  田口博通 Hiromichi Taguchi

 最近は、国内メーカーからの飛行機ニューキットのリリースが非常に少なくなってきました。その代わりに、市場から久しく姿を消してレアアイテムとなっていたキットが 新デカール付で再販されることが増え、まるで再販プラモデルブームのようになってきております。
 モデラーとしても 黄ばんだデカールの中古品をヤフオクでプレミアム価格で求めるよりも、メーカーからの新デカールの再販品を模型店で適価で購入できる方が良いに決まっています。
 長年入手できなかった憧れのキットを 印刷の綺麗な現代の高品質新規デカールで、かつ現在の自分の技量と最新の塗料、材料で作ることができれば、積年の思いも成就できることでありましょう。
というわけで、最近ニューキットが少ないとお嘆きの貴方に向けて、「(クラシックキット)再販キット紹介」コーナーを始めたいと思います。



今回は、ハセガワから限定品として約30年ぶりに再販された「MU-2J飛行点検隊」です。限定再販に際しては、牽引車が付属しています。





 詳しいニューモデルレビュー記事は 「月刊航空情報」2021年9月号 (116p~117p)に掲載していますので、ぜひ書店でお買い求めの上ご覧になってください。

「月刊航空情報」2021年9月号
特集はF-22、入間管制隊です。

実機について

   三菱MU-2Jは救難機MU-2Sの胴体を1.9mストレッチした民間双発ビジネス機で1969年にデビューしました。1975年に航空自衛隊飛行点検隊に採用され、1994年3月22日に4機とも無事退役しています。


実機写真 wikipediaより引用
MU-2Jではプロペラ先端は丸まっています。

キットについて

 プラモデルはこのハセガワキットが全スケールを通じて唯一で、MU-2Sと共にMU-2Jビジネス機としてリリースされたのが半世紀前の1974年というクラシックキットです。一度、1992年に空自飛行点検隊のマーキング付で限定発売されましたが、今回の再販はそこから数えても30年ぶりです。
MU-2Jは地味な機種ゆえ、久しく市場から姿を消していた幻のレアアイテムでした。既に店頭在庫のみとなっているので、未入手の自衛隊機ファンは模型店に急ぐことをお奨めします。
デカールには運用されたナンバー271~274の4機分のマーキングの他、胴体レッド、主翼上WALKWAYパターンが収録され、鮮明な印刷のデカールとなっています。

デカールの版も更新されており、余白も少なくなっている


 部品点数は現代のキットに比べると少なく、機体はホワイトのプラスチックでモールドされています。金型設計が半世紀前のため、当然のごとく凸パネルラインですが、それが細く繊細で、非常に綺麗な表面仕上げで、半世紀前のハセガワの技術力を感じます。

胴体ランナーはMU-2J専用で、ストレッチされた胴体、主脚スポンソン、延長された翼端タンク部品


主翼ランナーはMU-2Sと共通


おまけの牽引車ランナー


組み立て

  コクピット計器類はデカール表現です。胴体にコクピット床を接着する際にグラグラするので、胴体側にプラ棒でのりしろを追加しておくとよいでしょう。


コクピット下胴体側にプラ棒でノリシロを追加する。

 プロペラ先端がMU-2Jは丸いのですが、MU-2Sの流用のため先端が角張っているので、上に掲載の実機写真を参考にやすりで先端を丸めて修正してください。
 後は、すんなりと組んでいけます。

塗装

 塗装は、ホワイトを全面に吹き付け、胴体レッドはデカールを貼るのは難しそうだったので、マスキングして塗装しました。レッドとオレンジを混合してデカールに色合わせをしています。



 反射よけブラックもデカールを使わず、マスキングして筆塗りしました。




 ハセガワの最近のキットに付属しているデカールは改良されているのか余白も少なく貼りやすくなっており、嬉しいです。
主翼上のWALKWAYの黒線は日の丸と一体になっており、容易に作業できました。


 キット付属の胴体上の4本のアンテナ棒は短く胴体にイモヅケとなっており強度も無いので、金属線で長くしたアンテナ棒を自作して胴体に埋め込んであります。


 クラシックキットですが素性は大変良く、完成すると主翼の下反も含めてスタイル抜群 かっこいいです。
自衛隊機コレクションの穴が一つ埋まりました。 




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