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  F-8Ⅱ (トランペッター 1/72)

  by 加藤 寛之



 Mig-21を中国でコピーしたF-7を双発に拡大したような機首エアインテークのF-8を、サイドインテーク化して機首に大きなレーダーを装備したのがこのF8-Ⅱ。エンジンを尾部に2基もつけたためだろう、前後のバランスをとるために主翼から前がやたらと長い(TSR2もそうだな)。機体が長大になれば垂直尾翼も大きくする必要があって、下面にも折りたたみ式の安定板がついている。見るとカッコいいが、飛ぶ要素の設計や機体全体の構成はMig-21とナニが違うのかなというように感じる。エンジン推力が2倍で重量も約2倍らしいので充分に頑張ってはいるのだろうが、推力と重量比はF-7とほぼ同じ。素人としては、飛んで大差がないならF8-Ⅱを1機よりも、F-7を2機飛ばした方が有利じゃないかと思ってしまう・・・プラモデルだから、まあいいや。
 キットとしては、トランペッターが急速な成長期にあったころのもの。ちょっとゴツい作りで精密感はないが、おかげで作りやすい。部品の構成は50年前のハセガワのキットのように単純で、私は好き。全面に甘い凹リベットが打たれており、各所のエッジもナンダか甘い。ジェット機的でないのが残念。まあ、いいや。
 コックピットは単純な構成で計器類は平面にデカール処理。私は機内に興味がないので、暗い青をペタペタ塗っただけ。出来上がるとほとんど見えないから、この方が早い。胴体内部に脚庫とエアブレーキ内部のパーツを接着し、コックピットの組み物を入れれば左右を接着できる。尾部はパイプを組み込み、胴体に接着すればよい。胴体とは、だいたい合う。機首レドームは単純なほぼ円錐形で、念のために少々の錘をいれて胴体に接着。これもだいたい合う。



   エアブレーキは開状態が基本らしい。私は閉じたが、合いは良くない。開状態にした方が、簡単そうだ。
 胴体側面にあるエアインテークは、まあそうだろうな、というパーツ分割。それなりに合う。胴体と対面する側をきれいに作りたい方は、キットの組み順を変えて整形すればようだろう。私は全然、気にならない。
 主翼と垂直尾翼は、各動翼が別パーツ。これの分割はトランペッターの恒例なのだが、動いていない状態にすると、翼面との平面性は崩れ、後縁はガタつき厚みも揃わない。これは、それなりレベルに整える。私は翼下の武装をつけないので、パイロンだけを接着。
 主翼と垂直尾翼を胴体に接着すると、合いはそこそこ。整形に多少の手間が掛かる。水平尾翼は全遊動式だから塗装後に接着してもいいのだが、隙間が生じそうなので、先に接着しておいた。塗装後にちょっと動いた状態で接着するのが賢明な感じもする。
 風防周りはそれなりにOK。脚周りのガタつきは、困難というほどでなく組める。主脚とカバーの下端を繋ぐリンクのパーツは、うまく使えなかったので、ポイと捨てた。



   塗装は白で、筆塗りの私には難物。キャラクターホワイトを半光沢にして塗る。プラの地色を少し感じる程度までで塗りをやめ、単調にならないようにする。エッジや凸部分に白を塗り、影や凹部分にはごく薄く黒を塗って、メリハリをつける。緑は鉄道用から類似色を塗ってある。もうちょっと青いといいな、とは思うが、もちろんこれでOK。
 デカールは、綺麗なマークがある機体を選んだが、塗装図と見比べるとその図柄の面積が4倍くらいに大きい。あらあら、とは思ったが、派手でいいや、と思いなおしてOKとした。

 なんと胴体が長い機体かと思う。それなりにキットを整形して組んだのだが、どこか甘い感じに見える。その気持ちが消えたわけではないが、完成したのでこれで良し。


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