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特集 ホーカー

ホーカー・タイフーンMk-IB (ハセガワ 1/48)

  by 老人とプラモ

 タイフーンは、性能面でスピットファイアの後塵を拝するハリケーンの後継機を目指して、ホーカーのエース設計者 シドニー・カムによる 新設計の機体と大馬力エンジン(2000PS以上)を組み合わせた渾身の邀撃戦闘機、となるはずでしたが、エンジンの振動・胴体と尾部の結合部の強度不足などのトラブル発覚。これらの問題解決に取り組むうちに西部戦線の戦況は変化し、単座戦闘機には地上攻撃の能力が明確に求められ、タイフーンは戦闘爆撃機として大活躍する事となりました。


 製作は塗装も含めてハセガワのキット指示書の通り。出来上がったタイフーンを真横から眺めると、エンジンが主翼の前桁に載るような配置です。タイフーンのエンジン(ネイピアセイバー)の重量は約1000kg(ドイツのDB601Aは重量610kg)、当時の重量級エンジンで、機体の重心バランスをとるために前方に突き出す事が出来なかったと判ります。尾翼直前の帯の部分にトラブルの要因であった胴体補強の外板が見えます。


 重量級エンジンを重心に近づけて配置したために、エンジン周りの補器類もエンジンと操縦席の間ではなく、エンジン下部に配置し、結果として大きなアゴの獰猛なシルエットになっています。


 また、IB型は操縦席への乗り込みがカー・ドア式ですが前作のハリケーンでは通常のスライディングキャノピーなので変更の訳を知りたいところです。パイロットはタミヤのものを流用しています。


 大馬力エンジンに対応した大直径のプロペラ(約Φ4.26m)は大迫力。主翼下面の白黒のストライプは地上攻撃機の味方識別用塗装でノルマンディー作戦の以前から採用されていたそうです。低空で帰投するタイフーンは 頭でっかちの機首の形から 友軍の地上部隊にFw-190と誤認されることがあったとか。


 少し上から眺めても武骨な印象は変わりません。ところどころに前作のハリケーンの面影が見えます。スピナーと胴体の帯の色はダックエッグと指定がありましたが ガチョウのタマゴ色とはなんとなく愉快な気分になります。



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