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  97式1号艦上攻撃機 (エアフィックス 1/72)

  by 加藤 寛之



 エアフィックスは、機首のパーツ差し替えで97式1号と3号を発売している。今回は1号のキットを組んだ。これは、外国製とは思えない優秀なキットだと思う。旧マニア(現ハセガワ)にも1号はあるが、肝心のカウリングが似ていなかったので、いっそうエアフィックスの製品がよくみえる。
 キットの主翼は展開状態が基本で、折りたたみ状態にもちょっとした作業で出来る。動翼も別パーツ、風防も開閉選択、武装も爆弾か魚雷、それにあわせて塗装も2種。今の時代、そこそこのモデラーは作りきれないほどの在庫を抱えている人が多い。その人に買ってもらうには、このくらいの商品性は必要だろう。



  胴体から組む。私は風防を閉状態と決めていたので、コックピット内は超テキトウに作った。注意点は、下面窓から見える床板裏面をちゃんと塗ることと、長い風防で覗き込めてしまう後胴の内部をしっかり塗っておくことくらいだろう。
私は主翼を展開状態で組んだので、折りたたみ状態はどうなのか分からないが、塗装と武装を決めて穴を開けることと、上下のパーツをしっかりと接着することが重要。うっかりすると外翼がフカフカして、内翼前縁も開きやすいので注意。エルロンを動いた状態で組むなら問題ないが、正位置にするとエルロン前縁にある隙間が微妙にゆがんでいるのが分かってしまう。そこで私は隙間に溶かしたパテを流し込んで埋めた。尾翼関係も同じ課題があるので、こちらも埋めた。隙間を生かすか、埋めてすっきりさせるか、これは好みの問題だ。動翼固定後に後縁を下面から削り上げて薄く見えるようにした。動翼の羽布表現がキツイけれども、イヤなら削ればよいだけのこと。
胴体と主翼の接着は、瞬間接着剤で 1)下面後方 2)下面前方 の順で固定してから、3)一方の主翼端~胴体上面~もう一方の主翼端 へとマスキングテープを張り渡して、左右で揃っていることに注意しながら上反角を決め、4)フィレット部に流し込みタイプの接着剤を流して 5)数時間待つ 6)その後にフィレット部に瞬間接着剤をス~~と流して完了 の手順で組んだ。
水平尾翼は、押し込むとプチュッと出るくらいに瓶の接着剤をたっぷりと使う。プチュッと出たら流し込みタイプの接着剤のハケで均して伸ばし乾かす。これで整形も終了。
エンジンと排気管、カウリング内側を塗り、これを組む。意外なほどうまく組める。カウルフラップは開閉選択2つのパーツがあり、私は開状態を使った。取り付けガイドは切り取り、カウリングとの位置関係をしっかりさせた。
風防は長いので、ポンと置いただけでは隙間が生じる。マスキングテープで押さえて接着した。プロペラは捻り感が弱く丸棒的だが、強度を考えてキットのままとした。武装を装着しないのは、私の好み。当たると痛そうなのでイヤなのだ。
実機は無塗装の金属地肌が基本で、動翼と主翼中央の折りたたみヒンジ覆い布は銀色塗装だろう。それに現地で緑と茶を上塗りしたのだろう。どちらが先かは不詳。上塗りは濃淡や透けが目立ち、風防枠も塗ったり塗らなかったりで統一性はない。



 では模型。いつものようにテキトウだ。最初に茶色を、上側面全面に地色(無塗装)が透けて見えているかのように塗る。次に緑をムラがあるように塗布する。緑を茶に上塗りしたのは、緑と茶の表現に変化をつけて模型的におもしろくするためで、実機は塗り重ねていないだろう。キットのプラが水色なので、ところどころに銀色を入れて透けた感じにする。銀色を下地に塗ればよいのだが、面倒なのでこれでいいのだ。下面は基本が無塗装なので、銀色を塗っただけ。上からは見えないので、手を抜く。脚庫は銀にした。ここは外面がへこんでいるという考えだから内部ではない。だから機内色でなく銀色でいい。プロペラ裏面は茶色指定で、りっぱな考証。デカールは厚めだが、発色がよく美しい。
さて、キットの塗装図には操縦席から左右の斜め前方に白い線が描かれている。『世界の傑作機』新版№32掲載の該当航空隊機にそれはないので、私は描かなかった。このナナメ線は主翼に描いたものもあり、同書p.56下で確認できる。零式三座水偵にも見られる。
完成。よく出来ている。私の感覚では、3人目付近の胴体があとほんの少し太かったらイイナと思うし、その分だけフィレットが痩せているようにも思うのだが、ゼンゼン問題ナシ(だったら書くな!)。旧マニア(現ハセガワ)の1号のカウリングが惜しかっただけに、エアフィックスさん、ありがとう、って感じだ


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