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特集 エアフィックス

ハンドレページ・ハムデン(エアフィックス1/72)

  by 老人とプラモ

 このヒコーキを初めて知ったのは60年近く前のヒコーキ雑誌「第二次大戦の20機総集」(第?集)でした。高速度実現のため胴体幅を切り詰め(外の幅が3フィート)、尻尾のような後部胴体、までは良いのですが、爆撃機として必要な装備と乗員配置のために大きな胴体側面、ぶ厚い主翼、など空力的にはチグハグな印象を 当時の「少年とプラモ」は感じました。実戦では 戦前に企画された多くの「高速爆撃機」と同様に、低速脆弱であることが露見するのですが それでも独軍占領下のノルウェー沿岸爆撃やら、ベルリン初空襲などに参加するなどジョンブル魂を発揮したそうです。

  キットは、15年ほど前に店頭で見かけたAFの赤箱を深く考えもせずに買ったのですが中身は「20機総集」の時代の金型のものでした。嵌合が悪い、隙間ができる、モールドは厚め など困難多発ですが最も困ったのは ①透明部品が胴体と合わない、②キャノピーの窓枠が実機とかけ離れている の2点です。①は 透明部品の自作はほぼ不可能なので、凸モールド消滅を覚悟の上、胴体側をできる範囲で削り、多少の段差は妥協する、リベット消滅は塗装でごまかす、しかありません。②は幸いにキャノピーの枠のモールドは甘く、写真などから、テキトーにスジ堀りをして窓枠を書きました。一方、デカールは高品質のものが入っていて大いに助かりました。

 何とか完成してみると、実機の写真に近い印象です。これぞ昔のAFが「全体の印象を掴むのが巧みなプラモメーカ」の評判通りの出來です。ループアンテナの上部カバーらしきものを追加してあります。



くるみ割り人形のようなモールドの4名の乗員が付いていますが、機首の爆撃手のために爆撃照準器らしきものを自作で追加しました。





 真上から見ると胴体幅の狭さが判ります。実戦では長時間滞空しても操縦手の交代はできません、他の乗員も配置についたままの姿勢で6時間程度またはそれ以上耐えねばなりません。



 胴体後方の上下の銃座は実戦参加直後に単装から連装に変更されたそうですが側面は殆どが死角となるのが判ります。



 最後に夜間出撃の状況を想像して。



 これに乗ってベルリンに爆弾を落としてこい、と言われたらどうします?


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