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(Photo) CV3/33
by コルディッツ
博物館実機写真
1929年にイタリア陸軍は、イギリスのガーデンロイドMk.Ⅵ戦車を購入し、かつフィアット・アンサルド社にライセンス生産させ、 CV29として採用しました。CVはイタリア語のカルロ・ベローチェ(快速戦車)の頭文字です。ガーデンロイドMk.Ⅵ戦車は乗員2名で軽装甲、武装は機関銃のみの豆戦車ですが、何より経済的で、有力な近代兵器を持たないエチオピアとの戦争では、有益な戦車でした。1933年にはフィアット・アンサルド社が、CV29の車台を延長し、戦闘室の周囲を装甲板で囲う、独自の改善を取り入れた豆戦車を製作しました。豆戦車をイタリア陸軍はCV33として制式化し、大量生産が行われ、世界各国に輸出されました。
1935年のエチオピア侵攻、1936年のスペイン内戦では反乱軍の支援に、CV33とその発展型のCV35が投入されています。1940年6月にイタリアが第二次世界大戦に参戦した時点で、イタリアの戦車保有台数の75%は、CV33とその系列でした。
しかし第二次世界大戦では、最大装甲厚13.5mm、武装8mm連装機関銃、重量3トン台の豆戦車では、第一線での運用は難しく、ガーデンロイドMkⅥ戦車を母体に、各国で独自の発展を遂げた数多の豆戦車と同様に、後方に退きます。なお1938年から名称がL.3/33に改称されました。L3は重量3トン級の軽戦車の意味です。
※ 本稿は博物館の標示、Wikipediaを参照しました。
ガーデンロイドMk.Ⅵ
戦車博物館(パロラ)にて 2018年7月撮影
全ての豆戦車の母体です。
L.3/33 (戦争記念館の標示)
戦争記念館(キャンベラ)にて 2018年4月撮影
オーストラリア軍がトブルクでイタリア軍から捕獲した「トロフィー」です。戦闘室の組立に溶接が用いられた跡があります。
エンジンは、フィアットSPA CV3-005 水冷直列4気筒ガソリンで、43馬力。最大速度は整地で42km/h、不整地で15km/h。
リアエンジン・フロントドライブ方式です。
戦闘室には8mm連装機関銃を設置。
戦闘室の天板。
CV33 (中国人民革命軍事博物館の標示)
中国人民革命軍事博物館(北京)にて 2019年4月撮影
中国内戦時に国民党軍が使用していた車輌で、1949年に上海で捕獲したもののようです。
ただし戦闘室の組立がリベット接合で、1936年に中華民国がイタリアからCV35を20輌輸入したという記事がWikipediaにありましたので、CV35が正しいのではないかと思います。
L3/33 (博物館の標示)
戦車博物館(ボービントン)にて 2010年7月撮影
火炎放射戦車で機銃を廃し火炎放射器を設置しています。牽引する装甲トレーラーに燃料と圧縮ガスが搭載されています。
北アフリカ戦線での捕獲品とありました。
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