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  Me163B1コメート (ハセガワ 1/32)

by 小山新一


(実機について)

 第二次大戦でドイツが開発し、実戦に投入したロケット戦闘機である。動力のエンジンはワルター109ー509Aと呼ばれるもので、T剤(80%過酸化水素水)とC剤(水化ヒドラジン、メタノール、水の混合体)を燃焼室で反応させるホット・ロケットであった。、
 Me163のデータをみて驚かされるのは、何といっても「動力作動時間8分」の項目であろう。0が一つ足りないのではと思わせるのだが、8分を日常生活で考えてみればどうなるであろう。

 1、カップ麺のふたをめくり、湯をそそぎいれて待つ(3分)
 2、出来たカップ麺を食べる(5分)
あたりだろうか。
 
この8分を、コメートはどう使うか。データではこうある。
 上昇時間  9000mまで2.6分
 最大速度  955㎞時(9000m)
すなわちコメートは、カップ麺が出来る時間(2.6分)で一気に高空に舞い上がり、そこから滑空とエンジンの余力で加速・降下し、侵入してきた連合軍の爆撃機にダッシュ攻撃をかけるのだ。武装は機種左右に一丁ずつ装備された30mm機関砲である(弾薬は各60発)
 攻撃を終えたコメ―トは、滑空して基地にもどり、速度をしぼり(着陸速度170㎞時)ソリに よって接地・滑走して帰投する。帰投時のコメートは低速かつ、無防備であったため、基地周辺に待機していた連合軍戦闘機によって撃墜された機体も多かったという。


大まかなパーツ構成


後方からみた左側面

(キットの制作)

 ハセガワがレベルに追いつき追い越せの勢いで、1/32のヒコ―キのキットを開発していたころの製品である。初出は1980年代初めころであろうか。
 ただし、購入はごく最近の再販品である。ために、田口編集長がいわれる「押入れ在庫の成仏」ではない。実家の物置をさがせば初出品があったかだも知れぬのに、である。こうしたムダをやっているので、在庫が一向に減らぬのは、私ばかりではあるまいと思うのだが、如何?
 再販、新品でいいのはデカールが綺麗で、ストレスなく使えることですかね。
 表面モールドは細い凸線と控えめな凸リベットで、当時のハセガワの標準。パーツの合わせや構成で、現在の新製品と比べれば不満もあるが、工作・修正ともに容易である。大スケールのコメートが形になるだけで嬉しい限り。
 これまでMe163コメートは、1/48のトライマスター、1/100のタミヤを作ってきたが、いずれもドイツ空軍の迷彩で仕上げてきた。今回は変化をつけるべく、実験航空団の全面赤にした。クレオスの缶スプレー2番のレッドを吹き、デカールを貼る(手描きに比べ、何とラクなことか!)。デカールを一日乾燥させたのち、クレオスのトップ・コート(半つや)を吹いてほぼ完成である。
 トップ・コートが乾いたのち、控えめに汚しをかける。舵面へのスミ入れは鉛筆でやる。黒鉛によるわずかな金属感が効果的で、ラクな手法と思っている。
 スラットや機関砲口の硝煙の汚れなどはタミヤのウェザリング・マスターでやった。やり過ぎは禁物である。
 最後は1/48,1/100のキットとともにスリー・ショットの撮影である。


  右側面(後方から)


右側面(前方から)


 1/48(トライマスター)、1/100(タミヤ)とともに


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