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特集 ハセガワ32

紫電改 第二航空戦隊一番艦 蒼龍搭載機(ハセガワ1/32)

  by 寿



ゼロ戦のようでゼロ戦じゃない。
 コレは何かと問われれば
 紫電改。
 白い紫電改です、しかも空母搭載機です。ザケんなボケそんな機体有るかと言われそうですが作りたかったんだから仕方が無い。



  アメリカと開戦せず、もはや泥沼な中国戦線にひーこら言いつつもねちねちとした諸外国の嫌がらせに耐え続けていた日本、といった寿的妄想世界の産物です。まぁ順当にいけばゼロ戦で成功した三菱に次期艦載機の内示が下るのは至極当然でしょう。史実でも烈風が試作されたしね。



  でもそんなに上手くいくかなぁ~戦時ですら矢継ぎ早にゼロ戦の改良型を作らせて(作らなくても良かった22型とかね)次期戦闘機への仕様要求も今ひとつ定まらなかったからね。切羽詰まってなかったらゼロ戦への依存度は史実以上に高かったでしょう。



 そもそも三菱内部でも次期艦載機には試作中の一四試局地戦闘機(のちの雷電だ)の改良型でいけるんじゃね?的な目論見があったみたいだし。なのでむしろ対米戦が無かったら烈風の「れ」の字も出てこなかったんじゃないかしら。機動部隊だって特にやること無くてちんたらしてたら艦載機の更新もやらかさないよね。



 特に軍部は油圧カタパルトの開発に失敗してて「これ以上艦載機の大型化が進んだらどうしようヤベー」って顔色失っていたんだからしばらくはゼロ戦で行くわな。烈風の主翼が大型化したのも空母からの離発艦を懸念してのことらしいし。ゼロ戦に匹敵する水平旋回能力の要求云々はどうもカタパルトを用意できない「航空本部の言い訳」だったみたい。



 でも油圧カタパルトが駄目なら離陸補助ロケットがあるぢゃん、てな別アプローチが生まれて紫電改の艦載機案が現実味を帯びたのは面白い流れかも。史実でも烈風の試作中に紫電改の艦載機改造案が具体化して悪くない進捗だったんだから空母の甲板に紫電改がずら~っと並ぶってのはまったくの夢物語じゃないのでありますですよ。



  いやむしろ烈風なんてウドの大木じゃなくてコンパクトな紫電改だね、ホント。一四試局戦?振動問題で未だにグズってるからアウトオブ眼中。100オクタン燃料突っ込んでりゃ誉だってゴキゲンなエンジンなんだしイケるイケる。ハ43なんて新規のエンジン初期トラブル出まくるに決まってるでしょ、夢の見過ぎ。



 ベンチテストのエンジン載せたら駄目ヒコーキだった烈風が生き返った?そんなん専門家が付きっきりでチューニングしたらスクラップだって飛ぶわな。量産化したら何が起こるか分かったもんじゃないって。その点紫電改は強風から数えて三代目だよ?たたき上げだぜシブトイぜ。欧米の戦闘機に比べれば最高速度こそショボいもののそれ以外は遜色無いよ?F6Fなんて一ひねりだぜ。



 という訳で史実妄想何れにしてもポストゼロ戦は紫電改なのであります。

製作の詳細

(写真1)まぁなんと申しましょうか何時かは作らにゃならんなと思っていたサンニイの紫電改であります。ああもうやっぱり箱デカいよ。

(写真2) 竹一郎さん原型のフィギュア、相変わらず素晴らしい出来映えであります。ひょっとしてフィギュア欲しさにハセガワ様のサンニイシリーズを買っている人も居るのではないかしらんと勘ぐりたく成る程。ポーズの自然さもさることながら表情の「らしさ」が良いよね。


(写真3) 新サンニイシリーズはデカいけれど組みやすさに腐心したと言われる好キット。パカパカ組んでグイグイ進めるぜ。まぁ取り敢えずはコクピットからね。

(写真4) 最も部品が入り組んでるのはコクピットとエンジン部だけれども塗り進めて組んでいけばもうあっという間。何だかコレだけでもう完成したような気がしてくる。しかしソレはただ気のせいだ。これからが長く地道な作業の始まりなんだ。
 でも各部のパーツが仕上がる様は見てて嬉しいのよ♪


(写真5) パイロットの塗りはまぁこんなもんじゃないですか?凝り始めたらキリが無いし。ヒコーキのフィギュアはあくまでヒコーキの一パーツでしか無い訳ですし!

(写真6) 何が嬉しいってこうやってコクピットが一ブロック単位で後ハメ可なところ。胴体パーツを貼り合せた後に押し込められるのが工程的にも精神的にもすっごく楽。


(写真7) 艦載機なんで当然着艦フックが要ります。なんで溝彫っとく。難しいことは考えずにホントただ切溝入れただけです。どーせこんな所誰も見やしねーよ、ねぇ貴方。



(写真8) ガラはデカいけれどパーツ数は少ないんであっという間に十字のカタチになる。この辺りがイイんだよ、さくさく進むこの進捗が。まさにプラモ作ってるって感じなんだよ分かるかねチミぃ。まったく昨今の海外勢ときたらナナニイのくせにサンニイ以上のパーツねじ込んで来やがって。お値段も魂消る程にお高いし、ぶつぶつ・・・・


(写真9) さくさく進むのは良いんだけれどタイヤが完全に丸いのはいただけない。ので自重変形に加工し直します。何だか最近自重変形タイヤのキットが少ないような気がするのだけれども、ホントにワタクシめの気のせいなのでございましょうかね。
 細部のパーツ数を増やしたりモールドを緻密にするのはリアリティ追求の為なんでしょうが、こういったさり気ない部分への気遣いこそが余程に大切なんじゃないかしらん。だって大戦期のヒコーキって大抵タイヤ潰れてるぢゃん。爆撃機なんてとんでもないよ?丸いまんまだったらまるで金属のムク削り出してるみたいぢゃないの。現用機もよく見れば微かにツブれているし。
 みんなでツブそうヒコーキのタイヤ、みんなでツブせば怖くない。

(写真10) サンニイともなればペラもでっかい。流石二千馬力級の戦闘機、四翔ペラはゴッツイわ。取り敢えず翼端の警戒色は先に塗っときます。



(写真11) 小物パーツも一斉に並べて一気塗り。エアブラシがあって良かったと感じる瞬間であります。

(写真12) クルシー帰投方位探知機もプラパイプとプラ板ででっち上げ。ちと大きいような気もするけど気にしな~い。まぁ雰囲気雰囲気。


(写真13) 顔の塗りはちょっと頑張っちゃたよ。本格的なフィギュアモデラーに見られたら赤面モノだけれども以前よりもちょびっと位は上手くなったのだと信じたい。まだまだこれからだけれどもねぇ。

(写真14) ヒコーキのカタチになったらスミ入れ開始。何時もの定例業務じゃね。




(写真15) 下塗りの開始。今回は初っ端から面相筆アタックをカマすので此処から長いなが~い道のりが始まるのであります。

(写真16) 下塗り完了の図。まるでアオコが貼り付いとるみたい。やだなぁ~


(写真17) 中塗り完了の図。写真だと二枚で済むけれどこの二工程がめっちゃ時間食うのよ。何でこんな塗り方やってんだろって呆然とするくらいに。少なくともこの表面積でやる塗り方じゃねーわな。

(写真18) トドメの上塗りはこのガイアカラーの灰緑色。1/144用って書いてあるような気がするけど気のせいだ。わたしはコレが良いと決めたからコレで良いのである。


(写真19) エアブラシでだーっと一気塗り。下地の筆ムラを完全に隠蔽させないトコロがみそ。うっかりソレをやっちまったら今までの苦労が台無しだ。

(写真20)塗装が完全に乾くのを待つ間に着艦フックでも作っとこうかね。プラ板でちまちまとでっち上げでございます。



(写真21) エンジン塗るところは撮り忘れちゃったけれどまぁいっか。排気汚れはプロペラの後流で右側面と左側面の汚れ方が違うからソレっぽくしとく。水メタノールブースター付きの場合黒煙が凄まじいらしいのだけれどもあんまり真っ黒にするのもアレなのでこの程度で。
 寿的紫電改は一〇〇オクタン燃料使ってるから水噴射無しでもイケるよね、多分。うん、きっとそうだ。


(写真23) 細部を塗ってデカール貼ってちまちまと細かい手直ししたら出来上がり。ハセガワ様の新サンニイシリーズはフラップの取り付け方が何奴もコイツもモデラーに優しくないので地味にスキルを試されます。いやいや、こんな挑戦状は要らないって。コレさえ無ければほぼパーペキなキットなのになぁ。
 ちなみに今回は恒例行事であるはずの真鍮挽き物パーツは使っていません。銃身もピトー管もプラのパーツです。ストイックに目覚めたとかそんなんじゃ全然なくって単純に有るモノだと思っていた行きつけのお店に目指すパーツが無かっただけの話であります。ネット通販で頼もうとしたらどーゆー訳だが何処もかしこも品切ればっか。どーなっとんじゃ。
「世界中みんな一斉にサンニイ紫電改を作っているんじゃないの?かっちょイイもんね」
 やかましい。
「見つけた時に買う」は鉄則であるなと改めて思い知った次第。





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