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特集 プラモデル温故知新 

(温故知新)Macchi C.200 Saetta (レベル1/72)

by  コルディッツ
博物館実機写真

 My積みプラで最多個数はレベル・ファイター・シリーズです。
 中でもマッキC.200サエッタは5箱抱え込んでいますので、今回はサエッタの成仏を祈願して取り組ませて頂きました。
 キットは最古の物を選びましたが、組立説明書に「1985年 西独印刷」とありました。ドイツ統一以前に購入、以降ずっと積みプラにしていた訳で、キットには真に申し訳ない仕打ちをしたことを、衷心よりお詫びし、制作に取り掛からせて頂きました。
 当時のプラモデルの箱絵は、アメリカの消費者保護運動の影響なのか、完成キットの写真を印刷したメーカーが多かったと記憶していますが、ドイツ・レベルのサエッタも同様でした。制作時に箱写真を観察していたら、エンジンカウルの前面を黄色に塗装しているのに気付きました。なぜ銅色でなく黄色? これこそは「温故知新」的話題に当るのかもしれません。



 エンジンカウル前面は環状オイルクーラーなので、黄色は有り得ないはずと、説明書の塗装指示を見ると「MATT GELB」とあり、驚愕しました。ツクダ社がドイツから輸入したM.C.200には、多分ツクダ社がドイツ語説明の部分を日本語に替えた説明書が入っているので、確認したところ、黄色でした。
 レベルのキットはオイルクーラーの溝が掘られていないので、Fw190Aのような感覚で黄色と勘違いしたかと思いますが、ドイツレベル(とツクダ)は、この位の考証をしても良かろうにと残念でした。もっとも私も実機の写真を慌てて確認したので、五十歩百歩ではありますが…    

 2003年8月、イタリア軍事航空史博物館で撮影。


   レベルはプロペラスピナーを付けたタイプを選び、右胴体脇のベンチュリー管を省略しています。しかし手を付けず、積みプラ成仏を優先しました。未完成キットの山は作るまいと思ったので…
それでも排気管カバーの裏に、ランナーから切り出した排気管を付けましたが、あまり意味はなかったですね。



イタリア機では主脚収容庫の塗装色は悩むことがありますが、 ここはレベルの説明書通り「MATT HELLGRAU」を基本で良いかと思います。この写真は2017年12月撮影です。  





「温故知新 」的話題の2番目に、M.C.202フォルゴーレとの比較があります。40年以上前にグンゼ・レベルのM.C.200とフロッグのM.C.202を並べた時に、サエッタの方が大きいように感じたので、今回確認しようと思ったものです。
 M.C.202のキットはタミヤ・イタレリですが、うっかりタミヤ製では無いことを忘れて、ちょっと組立に苦労しました。そんな訳で、M.C.202の塗装は共和国空軍機にしました。



  スミソニアン航空宇宙博物館の展示機は2007年4月に撮影。




色々な並べ方で比べたところ、機体全長はM.C.202が長く、機体幅はほぼ同等。全高はM.C.200だけがやけに高くなっています。
 物の本によると全高はサエッタが3.51m、フォルゴーレは3.02mと50cm近くサエッタが高いです。つまり座高が高いので、M.C.200が大きく見えたことが分かりました!
 M.C.200開発当時、イタリア空軍パイロットは良好な視界を重視していたので、全高を高くして良好な視界を確保し、オーナーの意向に沿おうとしたデザインかと思います。しかしWWⅡの進展は、M.C.202やM.C.205、或いは他社の5シリーズのように、視界の優先順位を下げる方向に働いたように思います。



 M.C.202の主脚収容庫。2017年12月撮影。



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