Home  >ドイツⅣ号戦車H型 (タミヤ旧キット 1/35)> 特集 プラモデル温故知新>2022年7月号

特集 プラモデル温故知新

 ドイツⅣ号戦車H型 (タミヤ旧キット 1/35)

  by 入江健次



 私が小学校高学年の頃、学校で流行っていたのはタミヤのミリタリーミニチュア(MM)でした。人気はドイツ軍で、誰がタイガーIを買った、88ミリを持っているとか、毎日そんな話題で、放課後は誰かの家で集まって模型作りでした。当然ペイントは筆塗りで、プラの小さい四角のビンに入ったエナメルのパクトラタミヤが主流でしたが、大体、買ったばかりなのに誰かが倒してしまう事件がよくありました。
 そんなタミヤのMMの設計図にはその実車の説明が戦歴も含めて詳しく書いてあり、暗記できるぐらい読んでました。ろくに資料など知らずに作ってましたので設計図の説明文は貴重な資料でわくわくしたものです。88ミリ砲のアフリカ戦線のマチルダ戦車との戦闘など今でもよく覚えてます。
 素晴らしいタミヤの設計図でしたが、無茶な事も書いてあり、迷彩塗装の方法で、脱脂綿をのりで車体に引っ付けて、缶スプレーで噴いてから、綿を取って水洗いしなさいとか。さすがこれは無理とか思いました。やった人いますか?



 そしてこの、4号戦車H型が1975年に発売になりました。鳴り物入りでの発売で、既存の3号戦車、タイガーIやパンサーは部品も甘く、新しい4号Hはすごいキットと話題だったのです。入手した友人宅に見に行ったものです。
 私は親戚のお兄さんが買ってくれました。当然、本体の繊細な表現は素晴らしく、コマ毎のスペアキャタピラやヘルメット、洗面器などのアクセサリーの豊富さもうれしかったですね。4号Hは何台か製作し、G型にも改造したりしました。また、この4号はバリエーションが多く、ブルムベアー、ラング、Ⅳ突、メーベルワーゲンなど沢山出ましたね。後でD型も出ました。



 模型雑誌では不具合箇所が指摘されたりもして、車体の幅が広いとか前面パネルの角度や高さが違うとか叩かれ、イタラエリ(昔はイタラエリと言いました)の4号の方が寸法が正しいとか言われて買ったこともありましたがイタラエリのキットもどこかに大間違いがあって砲塔の後ろのパネルが変な形でした。その後、寸法至上主義的な流れが今に続いているような気がします。
 しかし、私の仲間内では、このタミヤ4号Hはスーパーキットだった事は間違いありません。



 今回、昔購入したのがまだ残っていたので作りました。出来るだけ素組みでと思ったのですが前面パネルだけプラバンで直してしまいました。更に箱絵には無いツィメリィトコーティングも施し、右フェンダーの上にスペアの履帯を二個乗せました。
 このキットの問題点は、砲塔につけるシュルツェン、増加装甲ですね。キットのパーツをうまく取り付けられる人はいるのでしょうか? 私は何度やっても無理です。ここは、アハトゥンクパンツァーと言う本に記載されている原寸図を基に0.3mmプラバンで作りました。
 あと、プラのワイヤーロープをあぶって車体に沿わすのも無理で銅線を捩って作りました。



  そして今回、箱絵モデリングにしようと思い出来るだけ箱絵に似せて塗装をしました、吹付塗装は、中学生の時に買ったピースコンで行いました。その頃はエアブラシと言わず、ピースコンと言ってたのです。オリンポスという会社の商品名でした。コンプレッサーでは無くガスボンベをつけたシングルアクションのピースコンヤングと、ダブルアクションのPC-101というのが有りました。コンプレッサーも買いましたが図体も作動音も大きかったです。エアブラシは今でも両方現役です。

昔のMMのキットを作っていると、当時が懐かしく思い出されました。友人たちは皆、音信不通ですが、今頃どうしているのだろう。プラモデルをいまだに作っているのは私だけだろうか。 



  Home> ドイツⅣ号戦車H型 (タミヤ旧キット 1/35)> 特集 プラモデル温故知新>2022年7月号
Vol.167  2022 July.     www.webmodelers.com /Office webmodelers all right reserved /
                    editor Hiromichi Taguchi 田口博通 /無断転載を禁ず/リンクフリー
「webモデラーズ について」 「広告のご出稿について」

プラモデル模型製作特集3

TOTAL PAGE