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> ハンバー スーパー スナイプ スタッフカー(エアフィックス 1/32)> 特集 プラモデル温故知新>2022年7月号
ハンバー スーパー スナイプ スタッフカー
(エアフィックス 1/32)
by
Takafumi
別項で製作したM3 グラントとディオラマで共演させるスタッフカーを作りました。
キットは「MONTY'S HUMBER」の名でモントゴメリーの専用車として発売されています。古いキットですが、何度も再販されており、模型店で見かけた方も多いと思います。M3 グラントを作ったついでに同じ1/32スケールで同じ英軍車輌ということもあり、この機会に手元にあったキットを製作した次第です。
キットで再現されているタイプは、今回題材にした北アフリカ戦線で使用されていた車輌と外観が少し違うため、一部推測しながら手を加えています。また、スーパー スナイプは他の将官も使用していたみたいなので、モントゴメリーの専用車ということにこだわらずに製作しました。
キットに追加工作した箇所を記します。
車体後部に燃料缶を載せるトレーが増設されており、燃料缶は帯材で固定されています。
フロントウィンドウのすぐ前に箱があり、その上に電灯を後ろに向けたようなものが載っていますが、何なのか分からぬまま製作しました。車内灯として夜間に使用したのか、あるいはホーン(後ろ向きにみえますけど)なのかなど様々な想像を巡らせました。
ボンネットの上にサンコンパスらしきものが装備されています。当時の英軍のジープやトラックに装備されていたサンコンパスには、アンテナのような細長い棒がグノモン(盤面に影を落とすために立てるもの)として立てられていたのが特徴なのですが、今回参考にしたいくつかの写真画像でグノモンが立てられていると明確に分かるものを見つけられませんでした。普段は邪魔になるから立てていなかったのかもしれません。そうした理由から、本作もグノモンを立てていません。円盤の大きさは先述したジープなどに装備されていたサンコンパスのものより大きいみたいですが、運転席から見えにくそうな場所に設置されています。助手席に座る人が確認してナビゲートしたのか、車輌の性質上単独で砂漠を横断することなどあまり想定されず、非常用にとりあえず装備品として付属していたというところなのでしょうか。
フロントウィンドウの両脇に方向指示器を追加しましたが、これは北アフリカ戦線だから付いていたという訳ではなく、今回参考にした写真画像に写っている車輌のほとんどに付いていたので作った次第です。
今回参考にした北アフリカ戦線で使用されたと思われる車輌には、バンパーにナンバープレートが付いているものが確認できなかったため、バンパーの部品にモールドされていたナンバープレートは削り落としました。同様の理由で右側のフェンダーミラー等、キットに付属している部品で今回使用しなかったものがいくつかあります。
前照灯は灯火管制用のカバーで覆われていたようですが、レンズがむき出しの状態にしたかったので再現していません。
追加工作にはプラ板、プラ帯材や棒材などのプラスチック材各種を主に使用しています。燃料缶は1/35スケールのキットの部品から流用することも画策しましたが、自作しました。
キットそのものは、現代の部品同士がぴたりと合うキットと異なり、一部にすり合わせや大きな隙間を埋めるなどの作業が必要ですが、完成後見えなくなるような箇所も細部まで再現されています。繊細な部品が多く、破損に注意しながら製作しました。完成後に破損しそうな部分は金属線で作り直しています(製作中にあちこちが折れてしまったというのが真相です)。塗装作業中やディオラマベースに設置する時にどこかが破損するとそれだけでやる気が失せますので、強度に不安があると判断した箇所には補強としてプラ板や金属線を完成後に見えなくなる方向から、あるいは目立たないように接着しました。繊細な構成のサスペンションはひっくり返さなければ見えない部分は特に念入りに補強しました。
フロントシートの後ろの柱と梁は、梁を折ってしまい、部品ごと自作しました。設置しようとしたらフロントシートに干渉してしまったため、フロントシートを指定より少し前の位置にずらして接着して解決しました。柱と梁を自作する際に本来の寸法より少し太くしてしまったのかもしれません。
フロントグリルに立っているポールは真鍮線をダイヤモンドヤスリで削って作りました。このポールは博物館に展示されている車輌のものは垂直に立っているみたいですが、戦時に撮影されたと思われる写真では前方に少し傾いて立っているものが多く確認できるため、それらに倣いました。
運転用のハンドルはダッシュボードの透明部品に貼ったマスキングテープを塗装後にはがす時邪魔になると判断し、その作業後に接着しました。
ボディーカラーはグラント同様にガイアカラーのダークイエローを元に色を作って塗装しました。車内は白黒写真をみるとボディと違う色が塗られていたみたいですので、暗めのグリーンで塗装しました。ウェザリングは共演しているM3グラントと対比させることを意図し、砂漠で稼動している軍用車輌でありながら控えめにしています。
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