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(Photo) UH-1 in Australia

by  コルディッツ
博物館実機写真

 オーストラリアはベトナム戦争に参戦し、陸海空の3軍合せて、延べ約60,000人の将兵を派兵しました。この数値は米国、韓国に次ぎ第3位です。派兵は1962年から1972年にかけて行われ、この間の戦死者は521人、負傷者は3,000人以上でした。ベトナム戦争に於いてオーストラリア軍将兵の士気気は高く、戦争を通じて最少の損失で最大の戦果を上げた部隊と賞賛する評価があります。
 米軍が大規模に導入したヘリコプター戦術を、オーストラリア軍も導入し、ベルUH-1イロコイを活用しました。それを象徴するように、キャンベラの「戦争記念館」にはベトナム帰りのUH-1Bを中心にベトナム戦争のコーナーが設置されています。
※ 本稿は戦争記念館、カブルチャー軍用機博物館、西オーストラリア航空遺産博物館の標示を参照しました。

 Bell UH-1B Iroquois A2-1019
 戦争記念館(キャンベラ)にて       2018年4月撮影


 A2-1019号機は、オーストラリア空軍第9スコードロンに配属。
1966年6月に高速兵員輸送艦シドニー(旧マジェスティック級空母)により、ベトナムに搬送されました。ベトナムでは489回の任務を果たし1968年に帰国。1985年に戦争記念館に寄贈された機体です。
カンガルーのマークは印象的です。



 クルーは4人で、完全武装の兵士5名を搭載。武装はM60機関銃2挺で、両サイドに1挺ずつ装備しました。





 ベトナム戦争でオーストラリア陸軍兵士は、アメリカから供与されたM-16も使用しましたが、国産短機関銃オーウェン・マシンガンピストル使用は注目です。英ステンガンのような簡素な構造、 弾倉を銃上部に装着する発想等、中々興味深いです。

 オーウェン・マシンガンピストル
 戦争記念館(キャンベラ)にて       2018年4月撮影



 Bell UH-1H Iroquois A2-484  2019年2月撮影
 カブルチャー軍用機博物館(カブルチャー)にて 



 A2-484号機は1970年にオーストラリア空軍に配属、エジプトに基地を置く第二次国際連合緊急軍に所属し、1976年から1979年にかけて第四次中東戦争の停戦監視に従事しました。帰国後は陸軍航空隊に転籍。2007年にARDU配属。2014年にカブルチャー軍用機博物館入りをしました。
※ ARDU はAircraft Research and Development Unitの略語で、訳すと航空機調査開発部隊になりますか。
拝観時に機首のハッチを開けて貰えました。


 ハッチの裏には最後のクルーのサインが書かれています。




 コクピット左前方下部の眺め。


 Bell UH-1H Iroquois A2-296  2019年12月撮影
 西オーストラリア航空遺産博物館(ブルクリーク、パース郊外)


 A2-296号機は1973年にオーストラリア空軍に配属。その後陸軍航空隊に転籍。2014年に博物館入りです。  



UH-1HのエンジンはライカミングT53-L-13×1(1,400shp,1044kW) です。UH-1BではT-53-L-5×1(960shp、720kW)でした  



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