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誌上個展

 1947 PD-3701 Silverside Bus (RODEN 1/35)

by 素組亭気楽



 大恐慌によって大きく傷んだ経済のテコ入れのため、大規模な公共事業が全米各地で行われた。いわゆるニューディール政策である。その一環として高速道路網整備も行われ、目ざとい事業者が高速長距離バス事業を開始。都市間の手軽な交通手段として急速に発展したのである。この際、本用途専用の各種バスが開発・生産されたわけであるが、GMC PD 3701はそれらバス群の中でもアイコン的存在であり、大変人気があったとのことである。
 私自身は特にバスに興味があるわけではないが、アメリカンレトロとでも表現すべき独特のフォルムに魅せられて購入した。プラモ版ジャケ買いである。完成すれば全長30cm弱で存在感もありそうだ。パパッと作って居間に飾りたいな、くらいの軽い気持ちであった。さほどの思い入れは無いのある。



 キットは人が組み立てることを前提に設計されておらず、3D CADから直接金型を彫ったみたいな感じである。作りやすいとは言い難い。また表面処理が酷く、金型を削る際のビット跡と思われるものが多数ついている。まあ、塗装して少し離れてしまえば分からないだろうが。
 この程度は予想の範囲内であったのだが、困ったのは車体が箱組であったことだ。加えて車体部品とインテリアの組み立てが一体化している。つまり、車体とシャーシ+インテリアを別々に組み立てて最後に合わせるという工程が採れないのである。
 ここで選択に迫られる。ひとつは、シャーシおよびインテリア部を大改造し、後から車体に押し込めるようにすること。もうひとつは車体部品を塗装してから組み上げるということである。
 部品の合いも悪いので、塗装してから組み上げると、仕上がりに影響する事は分かっていたが、大改造はしたくないのである。なにせ思い入れが無い。腹をくくってしまえば後は簡単。手を抜けるところは全て手を抜いてしまう。エンジンなどポイである。



 で、完成品を改めて眺めると、悪い意味で唸る出来映えであった。塗装してからの組み立てでは隙間の修正が難しくそのまま放置。また、どんなに気をつけて触っていても塗面に細かいキズがついてしまい、近くで見るとヨレヨレ。
 ともあれ本編は製作記事ではなく誌上個展なのである。悪い部分を晒す必要もないのである。そこで写真は暗めにし細部識別不明と逃げを打った。世の中、これでいいのである。
 おまけとして注目点をひとつ。バンパーの輝きを見てほしいのである。これはメッキ部品ではない。Showupのテラクロームという塗料を使っている。これは銀やアルミでなくインジウムを顔料として使っており、酸化に強いのがウリである。コートも不要ということで使ってみた。ただし塗面は弱く触ったら剥げてしまう。1年ほど経ってどうなっているかが楽しみである。機会があればご報告するつもりである。


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