Home  > リピッシュ P.13a (PMモデル 1/72)> 飛行機プラモデル製作>2022年10月号


リピッシュ P.13a (PMモデル 1/72)

  by 加藤 寛之



 PMモデル製品は簡単なパーツ割りのキットで好きだからいろいろ組んできたが、これは初めて。突飛すぎて飛行機っぽく思えず「なんだかなぁ…」って思っていたのが買わなかった理由。ところが、再入荷した製品の箱絵がカッコいい。「中身は違うだろうなぁ」と思ったが、買ってみた。

箱を開ける。きれいなデカールが入っていて、組み図も美しい。パーツ数は、4パーツ構成の台車までいれて計11個で見るからに大雑把だが「この簡単さはお見事!PMモデルだからなぁ」と妙に納得する。表面は粗めの梨地で、ところどころに消えそうな数本のパネルラインがある。動翼の凹線はダルく、翼断面形はラフで、翼後縁はものすごく厚い。吸気口はグダグダ。怪しいジェット排気口周囲の造形もテキトウで、縁がすごく厚い。つまり、飛行機らしい形とかプラモデル的な表現とかが、全然出来ていないのだ。美しい組み図にある塗装図と比べると…まあ、いい。そうと承知して買ったのだから問題ない。

組む。コックピットは操縦桿と背もたれの計2パーツ。お尻部分は主翼上に造形してあるから、まあ3つで構成ともいえる。操縦桿と背もたれは後で入れればいいので、まずは垂直尾翼左右と主翼上下とを接着し、それらを合わせれば機体外形は出来上がる。
(1)後縁を薄く見せるために主翼上下、垂直尾翼左右の後縁をガリガリ削る。断面形がおかしいのでスッキリなんて無理だから、テキトウでOKとする。主翼後縁はさらに下面側から削り上げて、薄い感じをだす。
(2)主翼前縁の厚み変化がクタクタなので、真っ直ぐ感を求めてガリガリ削る。斜め上方向から見える前縁のやや下面側部分を、真っ直ぐにすることが肝心。
(3)胴体先端の吸気口は、前から見て円くなるように整形。吸気口前縁はある程度の厚みがあるように丸めたいが、円くするのを優先する。この飛行機はラムジェットエンジン装備らしいので、奥に蓋を入れておいた。
(4)ラムジェットエンジンの排気口は、横長の四角に造形してある。ここはフチを薄くする。それと…これが実機ならば排気で縁が振動しそうなので、中央、つまり垂直尾翼に繋がる位置に補強のプラ板を再現しておいた。実機の構造?? 知りません。



  (5)ロケットエンジンの排気口。側面形が付図と全然違ってカッコ悪いが、まあOK。穴を整形して終了。
(6)主翼と垂直尾翼の間には、大きな溝状の段差がのこる。ここは瞬間接着剤を3回くらい流して埋める。
(7)表面全体を軽く削って、梨地を甘くする。高速飛行機だから表面は平らじゃないとね。
 手を加えだしたらキリがないので、いずれも“まあいいか”程度でOKとする。
 風防で大失敗。ウッカリして割ってしまった。エンビ板からの絞り出して作る準備を始めたのだが、「これって、ビニールを被せて貼ればいいんじゃないかな」と思い、手元にあった透明な袋の一部を切って被せて…使える! そこで開口部のフチの窓枠程度の幅に接着剤を塗り、貼った。貼ってから周囲を切り出して窓の形に合わせて…OKだ。強度とか耐久性に大問題を抱えているが、完成こそが目標なので、そんな課題は忘れることにした(ちなみに、キットの透明パーツはやや小さい感じだった)。



 塗装。キットはドイツ末期らしい架空塗装図で2種選択。私は台車を含め全面02グレーにした。試作機っぽいし、なんといっても1色だから簡単に塗れる。02塗装後に光沢スプレーをかけて梨地を甘くして、デカールが貼りやすくする。その後に再度光沢スプレーをかけて、梨地をさらに感じにくくした。

 完成。実質1日で完成。このスピード感は素晴らしい。それなりに作れば、それなりにちゃんと出来る。飾れば特異な形が面白い。PMモデルは目のつけどころがイイ、って印象だ。見かけたら買っておいて損はない、を結論としたい(※トクもない)。


  Home>リピッシュ P.13a (PMモデル 1/72)> 飛行機プラモデル製作>2022年10月号
Vol.170 2022 October.   www.webmodelers.com /Office webmodelers all right reserved /  
           editor Hiromichi Taguchi 田口博通 /無断転載を禁ず  リンクフリー
「webモデラーズ について」 「広告のご出稿について」
 

プラモデル模型製作記事

TOTAL PAGE