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誌上個展

赤蛇の目 2題

  by Nobunaga

1、ブレリオ・スパッドS510 (アズール 1/72)

 アズールの最新のキットです。パッケージは昔のペラペラのキャラメル箱でなく厚手のものになっています。説明書もカラー印刷でわかり易く親切です。簡易キットながらパーツはインジェクションキットに遜色はありません。
下翼の差し込みはお飾りのようで芋付と変わりがありません。真鍮線を差し込んで補強してます。翼間支柱の取り付け位置の差し込みには苦労しました。結局ベロを切り取って直付けとしました。張り線はスチールワイヤーと指定があるので釣り糸は使わないので楽です。タイヤのスパッツにヒケがあるのでパテを塗ったけれどここだけです。細かなパーツが作れるようになったのでもうレジンは必要ないでしょう。


フランス最後の複葉戦闘機で胴体は金属製で主翼は金属骨格に羽布張りとなってます。1936年に量産を開始したがその時点で既に複葉機の時代は終わっていて60機生産されたものの練習機に格下げとなった。植民地空軍では戦闘機として使われたようです。どの国も最後の複葉機は同じような運命を辿ったようですね。
軍用機としては作る魅力がないので購入を止めようと思ったけど最後の赤蛇の目として作ることにしました。


主脚は取り付け部に半円の切れ込みがあっておしゃれ感を出そうとしたのかな。0.4ミリ真鍮線を取り付けました。主翼を支える張り線は0.3ミリ真鍮線です。


パネルラインは彫り直してクリアを吹いてエナメルの黒を塗ってメリハリをつけました。


動翼は一旦切り離して動きを出しました。




2、マッキMC202フォルゴーレ (イタレリ1/72)



古いキットですがタミヤからも販売されましたので作った方も多いと思います。イタリア機なのに赤蛇の目?と思った人もいるでしょうけどアメリカを中心とする連合国がシシリー島に上陸してからイタリア空軍は連合国側とドイツ側に分かれて国を二分して戦うことになったのです。イタリア北部ドイツ側に行った空軍は「共和国空軍(Aeronautica Nationale Republicana)ANRと称しドイツとともに連合国空軍と戦いました。南に残ったイタリア空軍は連合国側(Co-bellingerent Air Force)共同交戦国空軍としてドイツ機やANR空軍機と対峙することにな理ました。機会があればイタリア空軍の国を分けての戦いをテーマにして製作したいです。で、この時から南の共同交戦国空軍機がいまに至る赤、白、緑の国籍標識を採用し赤蛇の目空軍となったのです。


イタレリのキットなので苦労なく作れますが主翼翼端は薄く削って実感を高めました。塗装も使い込んだくたびれ風にかなり剥がれや汚しをしました。イタリア機独特の模様は筆書きです。






 諸民族入り乱れるバルカンからヨーロッパ、イベリア半島にかけて古代ローマ帝国から連綿と続いているラテン語系諸国(フランス、スペイン、ベルギー、ルーマニア、イタリア等)に共通する軍用機の国籍標識を「赤蛇の目」と称して何か共通するものがあるのではないかと2016年から作り始めて2022年11月号まで大小48機を作りました。結局各国の事情により設計製造されるためラテン語系諸国としての共通した特徴は見つかりませんでしたがイギリスやドイツの作る航空機とは工業力の差があるとは言え設計思想はかなり違うなと素人ながら感じました。
「赤蛇の目」連続製作はこれにて終了です。

 参考資料として雑誌やインターネットでかなりの情報を得ましたが、何と言っても光人社NF文庫「WWⅡフランス軍用機入門」や「弱小空軍の戦い方」など飯山幸伸氏の本が1番の参考書でした。

 さて、次のお題はスラブ系?ゲルマン系?それとも青蛇の目?お楽しみに?


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